購入前に外観のチェックや内覧も可能な中古マンション。中古マンションを買うときは、事前にさまざまな面から情報を収集することが大切です。
ここでは、中古マンションを購入するメリットのほか、「事前に確認しておくべきこと」「内覧で見るべきポイント」「オーナーに聞いておきたいこと」「内覧時の心得」についても解説します。
中古マンションの内覧で何を見る?オーナーへの質問項目もチェック
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
- 中古マンションを購入するメリット
- 新築マンションよりも安価に購入できる
- 騰落率を確認できる
- 住民の様子をチェックできる
- マンションの管理状況が購入前にわかる
- 中古マンションを選ぶ前の検討項目
- 予算
- 必要な間取り
- 持ち込みたい家具
- 中古マンションの内覧時に見るべきポイント
- マンション全体の様子
- 管理状況
- 風通しと日当たり
- 水回りのカビや亀裂など
- ドアや窓の開閉
- インスペクションの利用も検討する
- オーナーに聞いておきたいこと
- 内覧するときの心得
- 内覧するタイミングを変えて複数回チェックする
- 新築時の販売情報をチェックする
- 内覧にはメジャーとメモ、撮影できる物を持って行く
- 管理組合の修繕計画や積立状況をチェックする
- 中古マンションの購入時は情報収集を綿密に行うことが大切
中古マンションを購入するメリット
新築マンションではなく中古マンションを選ぶメリットには、すでに物件があるため、内覧して部屋の様子を確認できることが挙げられますが、それ以外にもメリットがあります。
おもに「価格が安い」という点と、「事前にどのようなマンションなのかわかりやすい」という点が挙げられます。具体的に見てみましょう。
新築マンションよりも安価に購入できる
2012年に1戸あたり5,283万円だった東京都区部の新築マンション価格は、毎年上昇の一途をたどり、2018年には7,142万円となっています。同じく大阪市部でも、2012年の1戸あたり3,252万円が2018年には3,552万円と上昇しています(2019年12月、株式会社不動産経済研究所調べ)。
わずか6年のあいだに数百万円以上も新築マンションが値上がりする中で、手頃な価格で購入できる中古マンションに魅力を感じる人も多いでしょう。中古マンションは新築マンションよりも安価ですから、より希望に近い立地や間取りの物件を、無理のない価格で購入することができます。
騰落率を確認できる
騰落率とは、マンションを購入後、一定期間のあいだにどの程度価格が下落したのかを示す数値です。騰落率が大きい場合、そのマンションには何か問題があり、良くない要素を持つ物件と考えることができます。
例えば、新築時に同じ5,000万円だったマンションAとBがあったとします。5年後にAは3,500万円、Bは4,800万円というように、中古で売り出されるときの価格に大きな開きが出ました。
この場合、マンションAは大きく値下がりしていることから、何らかの問題がある物件、あるいは、人気が低い物件である可能性が高く、今後も値下がりが続くおそれがあります。一方のマンションBは、5年を経過してもほとんど販売価格が落ちていないことから、長く資産価値をキープできる、良好な物件だと予想できます。
住民の様子をチェックできる
マンションを買う上で、避けることの難しい大きなリスクに、「近隣住民問題」があります。どれほどいいマンションでも、同じ物件に住んでいる人に恵まれなければ、快適な暮らしを送ることはできません。
新築で入居する場合、ほかにどのような人がいるのか事前に知ることは難しいでしょう。しかし、中古マンションであれば、すでにほかの入居者が住んでいる物件を購入します。挨拶をするなどして、近隣住民がどんな人なのか、ある程度事前に確認することができます。
マンションの管理状況が購入前にわかる
マンションを管理する、管理会社の仕事ぶりが十分かどうかも、安心して暮らし続けられるかどうかを左右します。
中古マンションなら、管理人に話を聞く、掲示板の張り紙の内容や共用部分の清掃状況を確認するなど、あらかじめチェックした上で購入を検討できますから、管理が行き届いたマンションを選ぶことができるでしょう。
中古マンションを選ぶ前の検討項目
中古マンションを購入するときは、実際に物件を探し始める前に、次の3点について検討しておく必要があります。
予算
マンションを複数比較・検討していると、どうしても、より立地がいいマンションや、設備が充実しているマンションに目が向きがちになります。しかし、こうなると予算オーバーの物件を契約してしまう可能性も高まります。
マンション購入にあたっては、長期間のローンを組むことも珍しくありません。この先、何十年ものあいだ返済を続けていかなければなりませんから、無理なく購入できる予算をあらかじめ決めておきましょう。
また、購入したマンションが高層階の場合は、引越し費用が通常より上乗せされる可能性もあることを念頭に置いて、予算を組んでおきましょう。
必要な間取り
数多くの中古マンションの中から、希望に合った1部屋を見つけるためのポイントとなるのが間取りです。必要とする間取りは、家庭によって違います。どのような用途で何部屋、どのくらいの広さの部屋が必要なのか、家族で話し合っておきましょう。
また、部屋数だけでなく、「子供部屋はリビングを通って行く間取りにしたい」といった希望がある場合も、あらかじめ条件を整理しておきます。間取りの条件が最初に定まっていれば、複数の物件の比較もスムーズに行えるようになります。
持ち込みたい家具
マンションを購入後に持ち込みたい家具があるときは、当該の家具のサイズを意識しておきましょう。
特に大型家具については、購入を検討している間取りにうまく設置できるのかという問題とともに、マンション内にスムーズに運び込めるのかという問題も出てきます。
家具のサイズとともに、出入り口の幅や高さ、運び入れる段階で家具が引っかかるようなポイントはないかなどもチェックしましょう。
中古マンションの内覧時に見るべきポイント
中古マンションの内覧に行ったときは、ついつい部屋の間取りや生活動線、マンション内の設備の充実度などに目が行きがちですが、「実際にその場所で暮らす」ことを意識して、細かい部分のチェックも怠らないようにしましょう。
マンション全体の様子
内覧に行ったときは、部屋の中に問題点がないかということだけでなく、マンション全体の様子にも気を配りましょう。
外観の印象が暗かったり、薄汚れていたりしないか、死角になりそうな暗がりがないか、外壁にヒビなどの問題点がないかといったこともチェックすべきポイントです。
「なんとなく印象が良くない」という場合、何が原因なのか十分考え、問題を見過ごさないようにしましょう。特に問題が見当たらない場合でも、直感で印象が悪い場合、長年住むことを考えて、購入を控えるという選択肢もあります。
管理状況
マンションの管理は、安心して暮らしていく上で必要不可欠です。管理状況がしっかりしていないマンションは、トラブルも起こりやすくなりますし、資産価値の低下の原因にもなります。
管理状況を簡単に確認できるポイントとして、郵便受け周辺とゴミ置き場、掲示板の様子が挙げられます。
郵便受けにチラシが溜まっていたり、床にチラシが落ちていたりするマンションは、管理が行き届いていない可能性が高いでしょう。反対に、チラシ用のゴミ箱が用意されていて、清潔が保たれているマンションなら安心です。
ゴミ置き場では、掃除がきちんとされているかどうかと、住民がゴミ出しのルールを守っているかどうかを確認できます。ゴミ捨て場が清潔かどうかは、毎日の生活にも直結するポイントだといえるでしょう。
掲示板では、掲示されているお知らせの内容をチェックします。住民間トラブルに関する張り紙や、注意喚起のような張り紙がある場合、住民の中に問題を持った人がいる可能性があります。また、古い日付の張り紙が残されている、張り紙がちぎれているのにそのままになっているなど、管理面の問題が見えることもあります。
風通しと日当たり
風通しや日当たりが悪いと、部屋の中に嫌なにおいがこもったり、カビが発生しやすくなったりします。
部屋の向きや、何時頃どの部屋にどのくらい日が差し込むのか、風通しはいいかといった点を見ておきましょう。
水回りのカビや亀裂など
水回りは、トラブルが起こりやすい場所でもあります。カビや亀裂がないか、水栓は問題ないかなどを確認しておきましょう。
水回りが清潔に保たれているかどうかは、部屋をどの程度丁寧に使っていたかどうかの指針にもなります。
ドアや窓の開閉
内覧時にまだ入居中だった場合でも、見るべきところはしっかり見ておかなければいけません。
ドアや窓は自分自身で開閉してみて、スムーズに動くかどうかチェックしておきましょう。1ヵ所だけでなく、すべての窓やドアを開閉してみるのが理想です。
インスペクションの利用も検討する
中古マンションでは、内覧時に自分自身で物件の状態を確認することができます。しかし、細かい点などに注意が及ばないこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、第三者のプロの目でマンションの状態をチェックしてもらう、「インスペクション」を利用することです。
中古物件の中には、最初から「インスペクション済」ということをウリにしているマンションもあります。しかし、このような物件以外でも、買い主が希望してインスペクションを行ってもらうことができます。
ただし、インスペクションでチェックしてもらえるのは、目視で確認できる部分だけで、穴を開けて構造をチェックするということは行われません。
オーナーに聞いておきたいこと
内覧時は、売り主である物件のオーナーと話ができることも多いでしょう。オーナーからは、実際にそこに住んでみてどうなのかという、生の声を聞くことができます。
下記のような情報は、実際にそのマンションに住んでいる人でなければわからないことです。土地勘がない場所で中古マンションの購入を検討している場合は、特にしっかり話を聞いておきましょう。
・周辺の道路やバス、電車などの交通事情
・住人の様子
・普段の買い物場所
・近隣の病院や学校の情報
・当該のマンションに住むメリット
内覧するときの心得
最後に、内覧をする際に心掛けておきたいポイントについてご紹介します。
内覧するタイミングを変えて複数回チェックする
マンションに入居した後は、その部屋で平日、休日、朝、昼、晩と、長い時間を過ごすことになります。
それぞれの時間帯や平日・休日の様子を知るためにも、タイミングを変えて複数回チェックすることをおすすめします。
新築時の販売情報をチェックする
物件が新築で販売されたときのチラシやパンフレット類はデータの宝庫です。販売時の情報もチェックさせてもらいましょう。
マンションの構造等の具体的な情報や、何をウリにしていたのかを知ることができます。
内覧にはメジャーとメモ、撮影できる物を持って行く
内覧をするときは、メジャーとメモを必ず持っていきましょう。自宅の家具が問題なく置けるか、希望どおりの使い方ができるかどうか、目視での印象ではなく、数字で客観的にチェックします。
後で確認しやすいように、カメラやスマートフォンなどで撮影をしておくとより便利です。
管理組合の修繕計画や積立状況をチェックする
大規模修繕をしたのがいつか、または修繕費の積立は十分かといったことを確認しておきます。
修繕費の積立が不足していると、入居後の大規模修繕で追加費用の支払いを求められるといったことが起こる可能性があるからです。修繕計画が適切に立てられているかどうかも併せてチェックしておきましょう。
中古マンションの購入時は情報収集を綿密に行うことが大切
中古マンションには、実際の管理状況や住人の様子などを事前に知ることができるというメリットがあります。
このメリットを十分活かすためにも、事前の情報収集をしっかり行って、購入後に思わぬトラブルに見舞われることがないようにしましょう。
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