保有しているマンションを売りに出しても、なかなか買い手がつかない場合、いったい何が原因なのでしょうか。価格をもっと下げたほうがいいのか、それとも待ったほうがいいのか、悩んでいる人もいるかもしれません。
ここでは、マンションが売れない理由とその解決策についてご説明します。
マンションが売れない原因は?早期売却を目指すために今できること
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
売れないマンションを保有し続けるデメリット
そもそも、「売りに出しているのになかなか買い手がつかないマンション」というのは、それだけで多大なコストを発生させてしまいます。空き家になっているマンションをそのまま保有し続けていると、固定資産税や管理費、修繕積立金といった固定コストがかかり続けるからです。
何の収益も生まない物件を、持っているだけでお金を支払わなければいけないというのは、とてももったいないことです。だとしたら、将来かかるであろうコスト分の値下げを早期に決断して、早めに売ってしまったほうがいいということもあるでしょう。
また、マンションを保有し続けるということは、それだけ築年数が経過し、建物も老朽化していくということです。大規模修繕が始まってしまうとさらに売りにくくなったり、一時金を求められたりといった問題が出てくる可能性もあるでしょう。無用なマンションを長く持ち続けるのは、リスクのあることなのです。
保有しているマンションが売れない8つの理由
そもそも、マンションが売れない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。おもな理由を8つご紹介します。
1 価格設定が高すぎる
価格が相場よりも高ければ、当然ですが買い手がつくことは難しいでしょう。
マンションバリューでは、今ご自身が住んでいるマンションの価値を確かめることができます。自分の売り出しているマンション価格が適正なのかどうか確認したいという人は、ぜひご利用ください。
2 管理費や修繕積立金が高い
マンションを買うときは、中古・新築に限らず、管理費や修繕積立金がいくらなのかも意識することになります。販売価格は自分で決めることができますが、管理費や修繕積立金は、マンションが売れないからといって調整することができない部分です。もし、管理費や修繕積立金が同条件の他マンションに比べて高い場合は、その分、物件価格を考慮するといった工夫が必要になるでしょう。
3 築年数が古い
同じ中古マンションを買う場合でも、その先何十年も住むことを考えるとなると、築30年の物件よりも、築3年の物件を選びたいと思うのは当然のことでしょう。築年数が古いマンションは、それだけ修繕も必要になりますし、設備関係のトラブルも増えると予想されることから、なるべく避けたいと考えられています。
4 立地が悪い
築年数が多少古くても、駅からの交通の便が非常に良かったり、都心部に位置しているマンションであったりすれば、利便性を求める買い手がつく可能性があるでしょう。また、将来建て替えを行う際も、立地が良ければ建て替えコストをかける以上のリターンを得られる可能性が高くなります。
一方、立地が悪いマンションは、実際に暮らす上でも不便ですし、資産価値もそれだけ低くなってしまいます。
5 外観や共用部に問題がある
マンションの購入を検討している人が最初に目にするのは、マンションの外観や共用部です。外観が汚れていたり、共用部に物が置かれていたりすると、「住みにくそう」「問題のある住人が住んでいるのかもしれない」「管理が適切になされていない」という判断をされてしまいます。中には、外からこういった状況を見て、「やっぱり問い合わせるのはやめよう」と思ってしまう人もいるかもしれません。
6 室内の状態が良くない
外観や共用部が整っていても、内見したときに室内があまりに散らかっていると、「丁寧に使われていないマンションだ」という印象を持たれてしまいます。「掃除ができていない」「なんとなく暗い」「においがする」といった問題は、これからそこに住もうと考えている人にとっては大きな問題でしょう。
7 仲介会社に問題がある
マンションの売却を個人で行う人は、ほとんどいません。中古マンションを販売するときは、仲介会社に依頼して買い手を探してもらうことになります。このとき、仲介会社があまり積極的に広告を出さない会社だと、思ったように売却が進まない可能性があります。また、仲介会社の対応が悪く、買い手がつかないということもあるかもしれません。
8 競合がいる
同じマンション内の高層階の部屋が同じ価格帯で売りに出されていたり、同じエリアの似たような間取りの物件が販売されていたりすると、買い手がつかなくなるケースもあります。この場合、競合と条件を比較・検討されることになりますから、なかなか買い手が決まらなかったり、思ったよりも売却に時間がかかったりする可能性が出てきます。
売れない理由を解決する方法
マンションが売れない理由を解決するための方法は、極論をいえば「価格を下げる」ということになってしまいます。立地の悪さや築年数のほか、修繕積立金や管理費の高さなどは、すべて価格を下げることで対応できる問題だといえるでしょう。条件が良くないマンションでも、同じ条件のマンションより低い価格なら、よほどのことがない限り、買い手を見つけることができます。
しかし、「マンションが売れない」といったときの「売れない」というのは、純粋に「売ることができない」という意味ではなく、「希望の価格で買い手がつかない」という意味が多いでしょう。このようなケースでは、売れるまで価格を下げるというのは、根本的な解決策にはなりません。
できるだけ価格を下げずにマンションを売るために、次の4つの解決策を実行してみてください。
1 室内の状態を良くする
マンションの共用部や外観の状態は、個人で改善させることが困難です。しかし、自分の部屋の中であれば、いくらでも良く見せるための工夫をすることができます。といっても、大規模なリフォームをする必要はありません。きちんと掃除して部屋を清潔に保ち、物を減らしてすっきりと見せるだけでも、内見に来た人の受ける印象は大きく変わります。
家具の配置を見直して、より魅力的に見えるように工夫したり、照明の明るさを変えたりするのもおすすめです。照明をどのようにあてるのかは、新築のモデルルームでも意識される重要なポイントです。どのような見せ方をすると一番部屋が魅力的に映るか、考えてみてください。
2 自分自身が積極的に売り込みを行う
マンションの買い手を探すのを仲介会社に任せっきりにしているという人は、一度スタンスを考え直す必要があります。住んでいるマンションの魅力や住みやすさを、一番わかっているのは自分自身です。アメリカでも、エージェントはお金や書類のやりとりの仲介をするだけで、マンションのPR自体は売主が行います。
仲介業者に任せて本人は何もしないという売主もいますが、内見に来た人に対して、「実際に住んでみてどうなのか」という生の意見を伝えることができるのは、そこに住んでいる人です。近隣住民がどういう人なのか、音の聞こえ方はどうか、公共施設などが近くにあるのか、使い勝手のいいスーパーはあるかといった、実際に暮らす上で気になることについて、売主は多くの情報を持っています。それを余すことなく伝えましょう。
また、仲介会社と積極的に連携をとることも大切です。いくら売り込みを行おうと思っても、問い合わせをしてきた人と最初にやりとりをするのは仲介業者ですから、「どこを売り込んでほしいのか」「伏せておきたいことは何なのか」といった情報を共有して、早期に買い手がつくように協力体制をとりましょう。
3 新築時のパンフレットを入手する
新築時のパンフレットには、そのマンションの売り文句や魅力がぎっしり記されています。中古マンションとして購入を検討している人に対するPRにも、こうした売り文句が役立つでしょう。新築時のパンフレットを自分で保管している場合はそれを利用できますが、捨ててしまったという場合は、仲介会社などに問い合わせてみましょう。
4 競合物件の調査を欠かさない
予想よりも長いあいだ買い手がつかないという場合、競合物件が売りに出されている可能性があります。売りたいマンションの周辺で売りに出ている同条件の物件の価格帯や、同じマンション内で売りに出されている部屋はないか、競合物件の調査は随時行うようにしましょう。
もし、競合物件よりも先に買い手を見つけたいというときは、ほかの物件よりも価格を下げるという方法もあります。
どうしても売れない物件はどうするのか
多くのマンションは、条件と価格のバランスがとれれば売却することが可能です。しかし、中には条件が悪く、どうしても買い手がつかないマンションも存在しています。こういうマンションを保有し続けるコストはまったくの無駄ですから、思い切って価格を下げてでも処分してしまうのがいいでしょう。
ただし、マンションには、売りやすい時期があります。年末など売却が決まりやすいシーズンまで待ってみるというのもひとつの手です。また、もし売却にこだわらないのであれば、賃貸に出すという方法もあります。買い手はつかないけれど借り手ならつくということもありますから、ただ遊ばせておくよりは貸してしまったほうがいいでしょう。
どうしても処分できないマンションは、最終手段として、競売にかけたり、買取再販業者に依頼して買い取ってもらったりという方法があります。ただし、都市部に建てられた一般的なマンションであれば、ここまでしなくても価格を下げれば買い手がつくケースがほとんどです。
都市部の「売れないマンション」は「売れるマンション」にできる
都市部に位置するマンションであれば、工夫をすることで十分売却が可能です。「売れない」とただ不満に思ったり悩んだりするだけでなく、自分自身が積極的に売るための努力をしてみましょう。
仲介会社と情報を共有して売り方を考えるだけでも、違いが出てくるはずです。売れる価格がいくらなのか迷ったときは、ぜひマンションバリューで自分のマンションを検索してみてください。
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※実際の流通価格を保証するものではありません。予めご了承ください。
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