近年、中古マンションを自分たちに住みやすく改造する「リノベーション」に注目が集まっています。新築にこだわらず、あえて中古マンションを購入して好みのスタイルにリノベーションするというのは、個性やニーズが多様化している現代に適したスタイルともいえるでしょう。
しかし、自由度の高いリノベーションだからこそ、かかる費用の目安がわかりづらいという難点もあります。マンションのリノベーションにいくらくらい必要なのか、目安をご紹介しましょう。
マンションをリノベーションするのに必要な費用の目安とは？
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
マンションのリノベーションとは？
マンションのリノベーションは、既存の住まいをより自分好みに、住みやすくするために行われるものです。リフォームと混同されがちなリノベーションですが、リフォームが「設備の修理」や「壊れた物を元に戻す」といったものであるのに対し、リノベーションは「既存の物からより良い物に変える」という性質を持っています。
そのため、リノベ―ションはリフォームに比べて規模が大きくなりがちです。部分的な修繕ではなく、部屋全体を改造する場合が多いリノベーションは、リフォーム以上に計画的に行う必要があるでしょう。工事の内容はもちろん、工事期間や工事費用についても、十分検討するようにしてください。
リノベーションにかかる費用の目安
リノベーションにかかる費用の目安は、1平方メートルあたり10万～15万円程度見ておくのが一般的です。例えば、50平方メートルのマンションを総リノベーションするのであれば、500万～750万円程度が目安となります。
しかし、リノベーションにかかる1平方メートルあたりの目安が、自分たちのケースにもあてはまるかというと、そうとはいいきれません。リノベーションは、部屋の間取りを大きく変えることもあれば、既存の間取りや設備を活かしたまま雰囲気だけを変えることもありますので、ケースによってかかる費用は大きく異なるでしょう。
リノベーションにかかる費用の目安を知りたい場合は、平均を見るのもいいですが、自分たちの希望に似たリノベーションを行った事例が、いくらくらいかかったのかをチェックしてみるのがおすすめです。
マンションのリノベーション費用を左右するポイント
マンションのリノベーション費用は、いったいどのような要素から決まるのでしょうか。費用を左右するポイントをご紹介します。
広さ
同じレベルのリノベーションをするのであれば、部屋の間取りが広ければ広いほど、かかる費用も高額になります。
導入する設備
無垢材フローリングや床暖房、大理石のキッチンなど、高額な設備をリノベーションで導入したいと考えているなら、それだけ総額も高くなってしまいます。
リノベーションの費用は、新しく導入する設備の代金と、工事をするための工賃が内訳の多くを占めます。導入したい設備と、その設備を設置するために必要な費用がどのくらいかかるのかについては、個別の見積もりを取る必要があるでしょう。
間取り
フルリノベーションをする場合でも、部屋の間取りを変えないのであれば、それだけコストを抑えることができます。しかし、壁を壊して部屋をつなげたり、水回りの位置を変えたりする大掛かりなリノベーションを希望するなら、ある程度の支出を覚悟する必要があるでしょう。
物件の階数
マンションのリノベーションを行うためには、資材を搬入したり、廃材を搬出したりする必要があります。高層階のリノベーションを行いたい場合、資材の搬入が困難になり、費用が思ったよりも高額になってしまう可能性が出てきます。物件の階数によるリノベーション費用の違いは、実際に見積もりを取らなければわからないことも多く、注意が必要なポイントです。
エリア
リノベーションを実際に行う職人の工賃は、地域によっても違いがあります。とはいえ、離れた地域の職人を呼んで施工を依頼するわけにもいきませんから、これについては費用の節約が難しいでしょう。
同じ地域内でも、施工会社によってかかる工事費は変わります。大手ハウスメーカーは工賃が高く、地場の工務店は比較的安価で工事を行えます。ただし、実際に行える工事の種類や、取り扱える設備に違いがある可能性もあります。安易に価格で決めるのではなく、希望のリノベーションを叶えられる施工会社かどうかを検討しましょう。
築年数
築年数が古いマンションは、現在とは異なる規格で作られている可能性があります。その場合、現在の設備の規格と合わせるために、大掛かりな工事が必要となる可能性が出てきます。
また、古さを感じさせずに快適に暮らすためには、より多く手を入れる必要が出てくるでしょう。そのため、比較的新しいマンションをリノベーションする場合に比べて、コストがかさみがちです。
リノベーション費用は「いくらかけられるか」と「何がしたいか」
リノベーションを検討しているときに意識してほしい、費用に関する3つのポイントをご紹介します。
1 予算上限を決めて施工会社に伝えておく
リノベーションのプランを相談するうちに、どんどんやりたいことが増えて費用がかさんでしまうというのは、珍しいことではありません。このようなことがないように、あらかじめかけられる費用の上限を決めて、施工会社に伝えておきましょう。上限が最初に決まっていれば、無理な提案をされることもありません。
2 家族で「譲れないポイント」を話し合っておく
リノベーションは、かけようと思えばいくらでもお金をかけられてしまうものです。「あれもしたい、これもしたい」という希望ばかりが膨らむと、収拾がつかなくなってしまうでしょう。
家族間で「絶対に譲れないポイント」と、「コスト面で難しいのであればあきらめられるポイント」を話し合っておいてください。優先順位が決まっていれば、スムーズに計画が立てられます。
3 追加費用の可能性があるかヒアリングしておく
リノベーションの見積もり費用は、最終的な請求金額と同一になるとは限りません。工事をする中で、追加費用が発生するということもありえます。追加費用が発生する可能性があるかどうか、もし発生する場合はいくらくらいなのか、発生させないためにはどうすればいいのかといった点を、施工会社に確認しておきましょう。
リノベーション費用を抑えるためのポイント
見積もりの段階で「リノベーション費用が思ったよりもかさんだ」ときや、「お金をできるだけかけずにリノベーションしたい」というときは、節約できるところがないか、リノベーションのプランを見直してみましょう。具体的に、費用を抑えることができるポイントをご紹介します。
間取りを変えない
間取りを変更する場合、壁を撤去したりドアを新設したり、大掛かりな工事が発生するため、費用は高くなりがちです。工事費用間取りの変更を予定していた場合は、変更しないで希望を叶える方法がないか検討してみましょう。
既製品を使う
建具や棚をオーダーで作ると、それだけ費用がかかります。元々、既製品を使う予定だったという人は、グレードを落とせるところがないか考えてみましょう。
お金のかかる内装を採用しない
塗装壁や無垢材フローリングは、導入にコストがかかる内装の代表格です。塗装と質感の似た壁紙がないか、複合フローリングで妥協できないかなどについて考えてみましょう。
施工会社を変える
どうしても費用が下げられないというときは、大手のリフォーム会社ではなく、地元の工務店に依頼するという方法もあります。ただし、設計力やデザイン力はもちろん、対応できる設備にも違いがあります。どのようなリノベーションに対応できるのか、確認した上で依頼しましょう。
リノベーション費用に「普通」はない
リノベーションに関しては、「普通はいくらくらい」という目安は、ほとんどあてにならないといってもいいでしょう。
自分たちがどのような住まいを実現したいのかと、どのくらいの費用をかけられるのかを検討した上で、まずは見積もりを取ってみることをおすすめします。
注目のエリア
騰落率は、マンション価格が新築時と現在とで、どれだけ変化があったかを示したものです。新築時と現在の価格が変わらない場合は騰落率０％となります。
※実際の流通価格を保証するものではありません。予めご了承ください。
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