住んでいるマンションを売却して、その売却益で別のマンションを購入するマンションの住み替え。これは一見、新しいマンションを少ない負担で手に入れられる、合理的な手段に思えます。しかし、実際に住み替えをするとなると、マンションの売却と購入を並行して行うことになるためすべきことが多く、混乱してしまうこともあるでしょう。 住宅ローンの手続きの仕方や売却・購入のタイミングなど、マンションで住み替え失敗しないための注意点をご紹介します。
マンションで住み替え失敗しないために押さえるべきこと
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
マンション住み替えの流れ
マンションを住み替える場合、売却と購入の時期が重なることから、手続きが煩雑になります。また、売却と購入のタイミングがずれれば、ずれた分だけ出費が増えていくことになりかねません。
そのため、不動産仲介会社と相談の上、計画的に進めていきたいもの。マンションの住み替えの流れについて、具体的に見ていきましょう。
マンション売却の流れ
マンションの売却は、次のような流れで進めます。
1. 住宅ローンの残債を確認
まずは、今のマンションに住宅ローンがどのくらい残っているのかを確認します。住宅ローンの残債によって、新しく購入するマンションの予算や、「いくらぐらいで売りたい」という希望の金額も変わってくるでしょう。
住宅ローンの残債は、借り入れを行っている金融機関が発行する「ローン明細」で確認することができます。
2. マンションの価格を査定
現在のマンション価格を知るために、査定をしてもらいます。査定は複数の不動産会社に依頼をして、平均値を参考にしてください。
マンションバリューでは、今住んでいるマンションの価値の確認や、売却した場合のシミュレーションを手軽に行えます。
3. 仲介する不動産会社と契約の決定
不動産仲介会社へ、マンション売却の仲介を依頼します。仲介の契約には、複数の会社に依頼できる「一般媒介契約」、1つの会社に仲介を依頼する「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」の3種類があります。
専属専任媒介契約と専任媒介契約の違いは、専属専任媒介契約が完全に不動産仲介会社に売却を任せるのに対し、専任媒介契約は自分で買い主を探して直接売却することも可能な点です。
4. 販売価格の決定、販売開始
不動産仲介会社と相談の上、販売価格を決めて宣伝を開始します。
5. 購入申込み受理
購入希望者が現れた場合、まず、購入申込みがされます。
6. 売買契約
実際に契約に進むことになったら、正式な売買契約を結び、売却が決定します。
7. 引越し
受け渡しの日までに引越しを完了させる必要があります。
8. 引き渡し
物件を引き渡し、買い主とのやりとりが完了します。
9. 確定申告
不動産の売却によって得た利益や損失について、確定申告を行います。
マンション購入の流れ
売却と同時に進める新しいマンションの購入は、次のステップで行います。
1. 新しいマンションの予算を決定
今住んでいるマンションの住宅ローンの残債と売却額の目安がわかったら、それを元に新しく購入するマンションの予算を決定します。
手続きにかかる諸費用や税金、引越し費用、新しく購入する家具や家電の費用なども考慮し、余裕を持った予算を立てましょう。
2. 購入計画
マンションを探す地域やスケジュール、希望の間取り、条件などについて、家族で話し合いましょう。
3. 新居探し
新しく購入するマンションを探します。
4. 売買契約(ローン契約)
購入したいマンションが見つかったら、マンション購入のための売買契約を結びます。住宅ローンを組んで購入する場合は、ローン契約も併せて締結することになります。
5. 引き渡し
新しいマンションの引き渡しを受けます。
6. 引越し
新しいマンションへ引越しを行います。元々住んでいたマンションの売却が、新しいマンションの購入よりも早いタイミングで行われた場合、仮住まいからの引越しになります。
7. 確定申告
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける場合は、確定申告が必要です。住み替えの場合は住宅の売却に関する申告も必要になりますので、併せて行いましょう。
マンションの売却と購入のタイミング
マンションの売却と購入は、それぞれ次のようなタイミングで進めるのが理想的です。とはいえ、希望どおりに売却ができなかったり、条件に合うマンションが見つからなかったりすることもあるでしょう。
マンションの住み替えの理由はさまざまですが、できるだけ損をしないようにしたいもの。スケジュールのために条件を妥協してしまっては本末転倒です。
スケジュールを意識しつつ、後悔のないマンション探しを行いましょう。
住み替えでよくある失敗と注意
マンションの住み替えをするときによくある失敗と、注意点をまとめました。住み替えを検討している方は、事前に知っておきましょう。
マンションが売れない
マンションがスムーズに売れるかどうかは、周囲のマンションの販売状況によっても左右されます。近隣に同じような物件が複数存在していると、価格の低い物件に人気が集まってなかなか売却が決まらなかったり、周囲に合わせて値段を下げざるをえなかったりすることがあります。
マンションの売却価格は、不動産会社に査定を依頼することで事前に調べることができますが、査定額を鵜呑みにして、「この値段で売れる」と思い込まないようにしましょう。仲介契約を結んでもらうために高めの査定を出す業者がいないとも限りません。信頼できる業者かどうか見極めるためにも、どういう根拠で出した金額なのか、確認するようにしてください。
なお、マンションの売却は通常、不動産仲介会社に依頼して買い手を探してもらいます。不動産の売却が初めての方やわからないことが多いという方は、不動産仲介会社を1社にしぼる代わりに手厚いサポートが受けられる、専任媒介契約か専属専任媒介契約がおすすめです。
意外にお金がかかる
「今住んでいるマンションを2,500万円で売却し、新しいマンションを3,000万円で購入する」という場合、自分自身が用意するお金は、差額の500万円で済むように思えます。しかし、実際には、マンションの売却や購入には、物件価格以外にもさまざまな費用がかかります。
住み替えの資金計画を立てるときは、売却や購入にかかる諸費用や税金、引越し代金、購入より売却が早い場合の仮住まいにかかる費用などについても、考えておかなければなりません。
とはいえ、個人の不動産取引には、さまざまな減税制度や控除制度が用意されています。マンションを売却した際は、「マイホームを売ったときの特例」「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」「特定のマイホームを買い換えたときの特例」といった制度から、状況に合ったものを利用することができます。また、購入時にも、不動産取得税の軽減措置や印紙税の軽減措置などを利用できます。
住み替えの際にどのような制度が利用できるのか、自分にとってメリットが大きい制度はどれなのか、確認しておきましょう。
住み替えのタイミングがずれた
今のマンションの引き渡し日が、新しいマンションの引き渡し日よりも前だと、家財も家族も居場所を失うことになります。このような場合は、仮住まいを別に手配しなければならないでしょう。
仮住まいの用意には費用と労力がかかります。引き渡しのタイミングを不動産会社に確認しながら、手続きを進めましょう。
住宅ローンが組めない
今住んでいるマンションの住宅ローンが残っている場合、そのままでは新しいマンションを購入するためのローンが組めないことがあります。また、住宅ローンが3,000万円残っているマンションを2,500万円で売却した場合、売却額で残債を返しきることができません。
このようなローンに関する問題を解決してくれるのが、「住み替えローン」です。住み替えローンは、購入と売却のタイミングを合わせることで、今住んでいるマンションの住宅ローンの残債分を、新しく購入したマンションの住宅ローンに上乗せして借りることができるというものです。
ただし、住み替えローンを利用すれば、それだけ住宅ローンの返済金額は大きくなります。今後、無理なく返済できるかどうか、きちんと資金計画を立てておく必要があるでしょう。
マンションの住み替えに失敗しないためにはスケジュール管理が重要
マンションの住み替えは、事前準備や調査をしっかり行えば、それほどリスキーなものではありません。そのためには、マンションの購入と売却のスケジュールを、把握しておくことも大切です。
いつ、何をすればいいのかをリスト化して、チェックしながら進めていきましょう。
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