マンションの価格を決める要素のひとつに「階数」があります。基本的に、階数が上がるに比例して価格が高くなるため、マンションの1階は上層階に比べて安価です。比較的手が届きやすい1階は、「できるだけ費用を抑えて良いマンションに住みたい」人や、「上層階を購入するには予算が足りない」人にはとても魅力的でしょう。
マンションの1階が安いのはなぜ?購入前に知っておきたい注意点
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
しかし、「安いから」という理由だけでマンションの1階を購入すると、住み始めてから後悔することになりかねません。
ここでは、マンションの1階の価格が安い理由と、購入を検討する前に知っておきたい注意点を紹介します。
マンションの1階にはデメリットが多い
マンションを購入するとき、間取りや設備、方角などと並んで購入の決め手になるのが、階数ではないでしょうか。同じような間取りであっても、高層階と1階では価格に大きな開きがあり、一般的には高層階ほど高い価格で販売されています。価格が高くても下層階より人気で、先に売れてしまうことも珍しくありません。
では、なぜマンションの上層階は価格が高く、1階は安いのでしょうか。
高層階の価格が高いのは、眺望や防犯性、日当たりなど、マンションの資産価値に関わるあらゆる条件において、低層階より優れているという理由が挙げられるでしょう。例えば、「都心の夜景を一望できる」という特徴を打ち出したマンションでも、夜景が眺められるのは高層階だけです。タワーマンションなどでは、高層階であればあるほどステータス感が強まることも、価格が高くても上層階に人気が集中する理由のひとつだと考えられます。
一方、マンションの1階には、「価格が安い」というメリット以上に、さまざまなデメリットが存在します。マンションの1階を検討する際は、デメリットと価格を照らし合わせ、納得した上で購入することが重要です。
マンションの1階に住むなら知っておきたい注意点
ここからは、マンションの1階に住む際の注意点について、具体的に見ていきましょう。
プライバシーや防犯上の懸念
マンションの立地にもよりますが、通りに面した部屋の場合、室内の様子や干している洗濯物が見えてしまう可能性があり、プライバシーの面で不安があります。
さらに、室内の様子が見えることで不在かどうかがわかりやすく、窓から侵入もしやすいといった、防犯上の懸念も少なくありません。購入を決める前に、防犯カメラやセンサーライトの設置場所、バルコニーの位置、警備会社との契約状況などを、しっかり確認するようにしましょう。
エレベーターやエントランスの音
1階の中でも、エレベーターやエントランスに近い部屋では、自動ドアの開閉音、話し声などが耳につく場合があります。エレベーターやエントランスは、マンション住民の多くが利用しますから、足音が気になって、落ち着いて暮らせないという人もいるようです。ドアや窓の防音性は、必ずチェックしましょう。上層階の人がエントランスからどのような経路をたどるかといった、動線の確認も必要でしょう。
車の騒音や排気ガス
道路に面したマンションだと、通り過ぎる大型トラックやバスの騒音が気になるほか、窓から入り込む排気ガスで、室内の壁や洗濯物などが汚れる可能性があります。バルコニーが面している環境や、道路と窓との距離は必ず確認してください。マンションに面した道路の交通量がどの程度なのかも、事前に確認しておきたいところです。
湿気が溜まりやすい
上層階に比べて、1階は湿気が発生しやすい傾向があります。しかし、外からの視線が気になって窓を開けづらく、室内に湿気がこもってじめじめとした環境になりがちです。家具にカビが発生したり、部屋ににおいがこもったりするリスクがあるほか、細菌が繁殖しやすくなるため、食中毒の危険性も高まります。
壁や天井にカビが発生すると、クリーニングや壁紙の貼り替えが必要になってしまうので、1階を選ぶ場合は、窓が多く通気性に優れている物件や、換気機能が十分に備わっている物件を選ぶことが大切です。
虫が出やすい
湿気のほか、ゴキブリや小バエ、蚊、クモなどの虫と遭遇しやすいという点も、地面に近い1階ならではのデメリットです。網戸をつける、虫よけを置くなどの対策のほか、24時間の換気口、室外機周辺の掃除も必須でしょう。
専用庭がある場合、より虫が侵入しやすくなるので、こまめに雑草を抜いたり芝を手入れしたりする必要があります。
眺望が良くない・日当たりが悪い
マンション自体が高台に立っているなどの特徴がない限り、一般的にマンションの下層階の窓からは、周辺の建物や植栽が見晴らしの妨げになり、眺望はあまり期待できません。
上層階に比べると日当たりが悪かったり、日陰の時間が長かったりする点もデメリットに挙げられるでしょう。購入前には、昼間に何度か時間を変えて室内を見学し、太陽光のみでどれくらいの明るさになるか、メインとなる窓からの採光性を含めて確認しておくと安心です。
冬場の冷気がきつい
寒い季節になると、マンションの1階は地面から冷気が上がってくることと、下に部屋がないことで暖房効率が悪く、室温が上がりにくくなります。
日当たりに難があれば日差しの温もりにも期待できないので、温かい空気の逃げ道になってしまう窓やドアの断熱性、部屋の気密性を確かめておきましょう。
水害に弱い
マンションの1階は、地震の揺れに強い反面、豪雨や河川の氾濫などによる浸水被害といった、水害に弱いのが難点です。床と道路面の高低差、地盤、排水の流れ、避難経路といった基本的な構造はもちろん、地域のハザードマップも重要なチェックポイントです。
マンション1階のメリットは、本当にメリット?
設計の工夫で、1階にありがちな構造上のデメリットを減らし、ほかの階にない特徴を打ち出して付加価値を上げている物件もあります。よく、マンション1階のメリットとうたわれている点について、検証してみました。
専用庭がついている
専用庭がついていて、「マンションの良さと戸建ての良さを同時に手に入れられる」という点を強調して、1階を売り出している物件は多くあります。晴れた日に子供を遊ばせたり、洗濯物を庭いっぱいに干したりなど、夢は広がります。しかし、実際には通行人の視線、周辺の建物からの視線、同じマンションの上層階からの視線が気になり、戸建てのように伸び伸びと過ごすのは難しいかもしれません。
また、専用庭があるからこそのデメリットとして挙げられるのが、洗濯ばさみや洗濯物といった、上層階からの落下物です。ほとんどは小さな物で、落とし主は気付いていないか、気付いていてもそのままにしてしまうことがほとんど。しかし、拾った側は「もし落とし主が取りに来たら」と思うと、安易に捨てることもできません。
床下収納や物置、離れなどのサービススペ―スがある
通常、マンションは下に他人の家があるので、収納を地下に設けることはできません。あったとしても、缶詰や小さな瓶がかろうじて収まる程度の、浅型のものに限られます。床下収納と呼べるだけの広さが確保できるのは、1階ならではのメリットといえるでしょう。中には、収納として使えるよう、専用庭に物置が設置されているマンションもあります。
ただし、床下収納も物置も湿気が溜まりやすいため、食品や紙類を保存するには不向きです。災害用の備蓄に使う場合も、こまめに状態をチェックして換気し、カビの発生を防がなくてはなりません。収納できるものが限られ、いつの間にか不用品や処分に迷う物の一時置き場になって、活用できずにいるケースが多いようです。
階下に物音が響く心配がない
マンションの上層階では、子供の足音や生活音などが階下に響いてトラブルになるケースがありますが、1階はそうした心配がありません。育児中の家庭や、帰宅が夜遅くなる人にとってはストレスが少なく、暮らしやすい環境だといえるでしょう。
しかし、音が響くのは階下だけではありません。上階やお隣への気配りは忘れないようにしましょう。また、自分の部屋の騒音は気にしなくていいかもしれませんが、上階の物音に悩まされる可能性はあります。
エントランスからの移動距離が短い
1階は、エレベーターを経由することなくエントランスと自宅を行き来できるので移動距離が短く、忙しい朝や忘れ物をしたとき、たくさん買い物をしたときなどは助かります。出勤時間や帰宅時間など、混み合う時間帯のエレベーター待ちが不要であることも、メリットのひとつでしょう。引越しの際にも、家具を吊り上げたり分解したりせずに、窓からそのまま搬入・搬出することができます。
注意したいのは、エントランスとの距離が近いということは、先に挙げた「エレベーターやエントランスの物音が気になる」というデメリットと隣り合わせであるということ。自分たちの生活にとってどちらが重要かをよく考える必要があるでしょう。
マンション1階のメリットは「コスト」に尽きる!
マンションの1階は、上層階に比べて価格が抑えられていて、かなりのコストメリットがあります。つまり、マンション1階の価格設定は、上層階に比べてアピールできるメリットが少なく、かつデメリットが目立つという現実を払拭するためのものといえるでしょう。あえて1階に居住スペースを作らず、駐車場として活用するマンションが多いのもそのためといえます。
マンションを購入する際、何より重視するのが価格だということもあるでしょう。また、「立地や内装が気に入ってどうしても購入したいが、上層階は予算の折り合いがつかない」という場合などは、1階を選択肢に入れてもいいかもしれません。その場合、今回ご紹介したような注意点があることをきちんと理解し、その上で価格が見合っているか、よく検討した上で購入するようにしましょう。
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※実際の流通価格を保証するものではありません。予めご了承ください。
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