車を持っている、またはこれから買おうと思っている方にとって、マンションの駐車場を使用できるかどうかは重要な問題です。 せっかくお気に入りの間取りの部屋を見つけても、駐車場がないからあきらめる、といったこともあるかもしれません。 また、駐車場があったとしても、その金額や方式が合わない可能性もあります。 車を持っている方にとってみれば、駐車場探しは部屋探しと同じぐらいのエネルギーが必要になるかもしれません。
ここでは、マンションの駐車場が部屋数よりも少ない数しか設置されない事情や、マンション運営に貢献しているしくみのほか、気になる問題点をまとめて解説します。
マンションの駐車場事情としくみについて
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
駐車場の数がマンションの部屋数よりも少ない事情
マンションの駐車場は、法律上必ず設置しなければならないものではありません。 各自治体が定める条例によって最低設置率が決まっているため、マンションによって設置率のばらつきは大きくなります。
東京23区内のマンションについていえば、駐車場の設置率は近年低下傾向にあります。 この背景には、公共交通機関が発達していることに加え、世間でも騒がれているような若者の車離れや、近年普及してきたカーシェアリングが影響していると考えられています。
マンションの駐車場は大きく3種類に分けられる
マンションの駐車場には、大きく分けて3つの種類があります。 自分の持っている車種や希望する条件と駐車場の相性も確かめましょう。
平置き駐車場
スーパーや戸建てにあるような平置き駐車場は、その多くが屋外に設置されています。 ほとんどの車種が利用可能で、車からいったん降りたりせずに駐車できるため便利です。 デメリットとしては、車が雨ざらしになることが挙げられます。 平置き駐車場は広いスペースが必要になるため、小規模マンションなどには設置されにくいようです。
機械式駐車場
駐車するときに車から降りて、機械に車を運搬・駐車してもらうのが機械式駐車場です。 設置に必要な面積に比べると多くの車を駐車することができるため、都心部のマンションで多く採用されています。 機械式駐車場のデメリットとしては、出庫までに時間がかかる、車のサイズや車種によっては使用できないといったことが挙げられます。
機械式駐車場には、大きく分けてタワーの中に車を収納する昇降横行式と、地下に車を収納する昇降ピット式の2つのタイプがあります。 昇降ピット式は地下にあるため、メンテナンス費用が高くなるというデメリットがあります。
自走式立体駐車場
大型のショッピングセンターなどでよく見かける自走式立体駐車場は、2階以上のフロアを有しており、多くの台数が駐車できます。 屋根がついている駐車スペースでは、車の汚れや劣化が平置きに比べて抑えられるというメリットがあります。 デメリットとしては駐車スペースまで到達するのに時間がかかることが挙げられます。 マンションの駐車場としては、あまり見かけないタイプかもしれません。
マンションの駐車場の権利のしくみ
マンションは、個人が所有する「専有部分」と、マンション住民全員で所有する「共用部分」に分けられています。 マンションの駐車場は、ほとんどの場合が共用部分です。 そのため、マンションの駐車場の多くは、分譲マンションであっても賃貸がほとんどで、 分譲マンションオーナーであっても、駐車場代として別途費用が必要になってくるのです。
駐車場の権利は先着順、または抽選で決まるところが多いようです。 東京都内のマンションに関していえば、住戸数よりも駐車場数が圧倒的に少ないため、希望しても駐車場を借りられない可能性もあります。 新築物件では、部屋といっしょに駐車場も借りられるように、早めに申込みをする方も多いようです。
数少ない例ですが、分譲方式でマンションの駐車場を購入できる場合もあります。 この場合は、固定資産税の対象となり、マンションに占める専有部分の場所が広くなることから、管理費や修繕積立金の負担が他の家庭より多くなってしまうこともあります。
駐車場付きのマンションのメリットとデメリット
車を持っている方にとって、駐車場付きのマンションは大きなメリットです。 しかし、車を持っていない方にとってもメリットがあるとご存じでしょうか?
駐車場の使用料というのは、管理費や修繕積立金として使われます。 つまり、駐車場付きのマンションは管理費・修繕積立金が割安である可能性が高いのです。 その反面、空き駐車場が増えてくると、管理費・修繕積立金の値上げにつながる可能性があることは覚えておきたいデメリットです。
マンション販売時の修繕計画は、駐車場が100%稼働している収益を基に計算されています。 ですから、空き駐車場の多いマンションは、管理費・修繕積立金が修繕計画どおりに増えていない可能性があるのです。 1、2台の空きであればまだダメージも少ないかもしれませんが、これが半分近くにもなると、管理費・修繕積立金は枯渇してしまう可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。
空き駐車場ができそうな物件の見分け方
管理費・修繕積立金が余計に値上げされない、空き駐車場が出ないマンションをできれば選びたいものですが、 新築マンションの場合、空き駐車場ができるかどうかはわかりません。 そこで最後に、空き駐車場ができそうな物件の見分け方をご紹介します。
駐車場の設置率が高すぎる
駐車場の設置率が高すぎるのは、それだけ空きが出やすくなる可能性が高いということです。 後々、高額な管理費を支払わなければならなくなる可能性があるでしょう。 周辺のマンションと比べて、設置率が飛び抜けて高くないか、確認するようにしてください。
メンテナンスコストが高い機械設備の駐車場がある
機械式駐車場が設置されたマンションには注意が必要です。 保守点検などのメンテナンスに高いコストがかかるタイプの駐車場や、ターンテーブルなどのハイレベルな設備の存在は、管理費に跳ね返ってくる可能性があります。 メンテナンスしやすいタイプの駐車場を持つマンションは、駐車場にかかる管理費も比較的低コストです。
建設予定地の周囲の駐車場をチェックする
購入したいマンションを見つけた場合、その周りの状況をしっかりチェックしておくことが大切です。 もし、その周りに手頃な値段の駐車場がたくさんあれば、マンション住民が外部の駐車場を利用してしまい、マンションの駐車場に空きができる可能性があります。 また、そういった周辺の駐車場に空きスペースが多いようであれば、駐車場へのニーズが低い地域ということがわかります。 マンションの駐車場が空きを埋めるために外部からの駐車希望者を募集しても、全然集まらないリスクがあるといっていいでしょう。
マンションの駐車場はマンション経営の健全性もわかるバロメーター
車を持っている方にとって魅力的なマンションの駐車場ですが、そこには今回ご紹介したようなメリット・デメリットがあります。
駐車場付きの物件を見るときは、車を持っている方も持っていない方も、その駐車場の運営がどのようになされているか、また今後どうなっていきそうか、意識するようにしましょう。
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