マンションは共同住宅ですから、周囲の人に迷惑をかけないよう、住民同士である程度の気遣いをしながら暮らす必要があります。これは、ペットの飼育に関しても同様です。
マンション内で住民トラブルを起こさないためにも、ペット飼育に関するルールやマナーを知っておきましょう。
マンションでペットと暮らすために!知っておきたいマナーと注意点
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
近年のペットの飼育傾向
2019年のペットの飼育頭数は、犬が879万7,000頭、猫が977万8,000頭で、計1,857万5,000頭となっています。2015年は犬が943万8,000頭、猫が927万7,000頭の計1,871万5,000頭ですから、ペットの総数はほぼ横ばいであるといえるでしょう(2019年、一般社団法人ペットフード協会調べ)。
一方、ペットにかかるフード代や医療費は、全世帯あたりの平均が2011年は年間1万4,326円であったのに対し、2018年は1万9,416円と大幅に上昇しています(2018年、総務省統計局調べ)。
ペットの飼育頭数が増えていないにもかかわらず、ペット関連費が増加しているということは、ペット1頭にかける費用が増加しているということです。犬や猫といった愛玩動物にも、高品質な食事と快適な住まいを用意し、十分な医療を提供するという考え方の飼い主が増えてきているといえるでしょう。
これに伴って、ペットを室内で飼う人も増加傾向にあります。2015年には「完全室内」「散歩・外出時以外は室内」の犬が78.3%、猫が81.3%であったのに対し、2019年には犬が86.8%、88.4%とどちらも割合を伸ばしています(2019年、一般社団法人ペットフード協会調べ)。
「ペットと室内でいっしょに暮らしたい」「交通事情などを考え、安全面からペットを室内飼いする」と考える人が増えるにしたがって、自然とペット飼育可能物件へのニーズも高まりを見せています。そのため、新築分譲マンションの販売広告などを見ても、ペットが飼育できることをアピールしている物件をよく見かけることがあるでしょう。
しかし、ペット飼育可能物件であればペットに関するトラブルが起こらないというわけではありません。マンションでペットを飼育するときは、近隣住民とトラブルを起こさないよう、十分な配慮が必要です。
マンションでよくある飼育トラブル
マンションで問題になりがちな飼育トラブルをご紹介します。
マンションでペットを飼育している方や、これからマンションでのペット飼育を予定している方は、意識しておきましょう。
・騒音
ペットの鳴き声や部屋を走り回る足音は、いっしょに暮らしている人にとってはそれほど耳障りでなくても、ペットを飼っていない人にとっては大きなストレスになる可能性があります。
特に犬の吠え声は、部屋の外まで響く場合が多く、騒音ととられる可能性が高いです。長い留守番の最中や来客時、外の音などに興奮してしまったときなど、「どういうときに犬が吠えるのか」を知った上で、無駄吠えしないようにしつけをしたり、留守番の前に散歩に行ったりといった工夫をしましょう。
・におい
ペットのにおいも、実際に飼っている人は意識していなくても、それ以外の人にとっては気になってしまうことのひとつです。
ペットを定期的にお風呂に入れたり、ペット用の消臭剤を部屋に置いたりして対策をとりましょう。排泄物の処理をする際、においの出にくいペット用品を使うのも効果的です。
・排泄物
マンションには、エントランスや廊下など、共用部が多くあります。こういった場所でペットに排泄させないように注意しましょう。万が一排泄してしまった場合は、飼い主が責任を持って処理しなければなりません。
また、ベランダで排泄をさせていると、においが周囲に広がってしまうこともありますので、やめるようにしましょう。散歩のときに外でさせて処理をする、または室内でさせるよう心掛けてください。
・毛
ペットの毛は、防ごうと思っても完全に防ぐことは難しいものです。しかし、共用部分に多数の毛が落ちていたり、ベランダから毛が飛んできたりすると、ほかの住民の迷惑になります。
抜け毛が多いペットは服を着せる、適宜ブラッシングをするなど、対策をとりましょう。もちろん、ベランダや共用部でのブラッシングは厳禁です。
・飼い主のモラル
エントランスやエレベーターなどの共用部では、ペットを歩かせずに抱っこしたり、ペットが吠えないよう注意したりするなど、配慮しなければなりません。
排泄物についても同様で、マンションの共用部分以外であっても、散歩中に排泄物を放置するようなことがあると、地域住民の迷惑になりますし、衛生的にも問題があるでしょう。もちろん、リードをつけずに散歩をさせたり、ペットをしっかり制御することのできない子供が散歩をさせたりする行為も避けなければいけません。
ペットの問題は、すべて飼い主が原因で起こるといっても過言ではありません。愛するペットが他人に危害を加えたり、反感を買ったりすることがないよう、責任を持って飼育しましょう。
マンションでペットを飼うときの注意点
マンションでペットを飼うときは、ほかの住民の迷惑にならないよう配慮が必要です。その中でも、特にトラブルにつながりやすい「守るべき注意点」についてご紹介します。
管理規約に従う
マンションに住む上で、管理規約は必ず守らなければならない共通ルールです。ペットの飼育に関しても、定められた規約を遵守しましょう。
また、管理規約に「ペットの飼育を禁じる」と書かれているのであれば、そのマンションでペットを飼うことはできません。ペット飼育不可のマンションでペットを飼っていると、規約違反として立ち退きを命じられる可能性もあります。
同様に、「ペットは1頭まで」「体重10kgまで」「マンションの共用部分ではケージに入れたり、抱いたりして、直接歩かせない」といった規約があるマンションもあります。このような場合も、規約を守ることができない大型のペットや多頭飼育をすることはできません。
ハウスや寝床の置き場所に気を付ける
ペットがくつろげる場所として、室内にペット用のハウスや寝床を設置することもあるでしょう。しかし、マンションではハウスや寝床の設置場所にも気を付けなければいけません。
ハウスや寝床は、ペットが落ち着いてくつろげる場所を選んで設置する必要がありますが、それと同時に、外部に音やにおいがもれにくい場所であることも大切です。
外ににおいがもれがちな窓際や、外の音に反応しやすくなる入り口付近は避けたほうがいいでしょう。
共用部分で世話はしない
マンションの水道で犬の足を洗ったり、マンションの入り口付近でブラッシングをしたりすると、どうしても汚れが出てしまいます。
マンションに、ペットの世話をするための専用スペースが別途設けられている場合は別ですが、そうでない場合は、ペットの世話は室内で行うようにしてください。
ペット飼育に適したペット共生型マンションとは?
ペットと暮らせるマンションの需要が高まる中で、ペットとともに生きることをコンセプトにしたペット共生型マンションも登場しています。
ペット共生型マンションには、ペットの足洗い場やドッグラン、リードフックなど、ペットの飼育に適した設備がそろっています。
室内の床材やクロスにも、においがつきにくい物や、足音が響きにくくペットが滑りにくい物を採用するなど、マンション全体がペットの飼育に適した作りになっているため、安心してペットと暮らすことができるでしょう。
ペット共生型マンションは、通常のペット可マンションに比べて、住民のペットに対する許容度も高い場合が多いと考えられます。だからといって、どのような飼い方をしてもいいというわけではありませんが、トラブルを避けて快適に暮らしたいと考えている方におすすめです。
ペットと快適に過ごすには周囲への配慮も忘れずに
ペットとトラブルなく、快適に安心して暮らしていくためには、周囲の住民に対する気遣いを怠らないことが大切です。
愛するペットはもちろん、自分自身も白い目で見られないよう、共同住宅におけるルールとマナーを守って快適な生活を目指しましょう。
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