マンションで家賃収入!意外とかかる、税金や経費を解説します

2020年08月07日

住み替えや転勤などの理由で、自宅マンションを賃貸に出すというのは、どのような方にもありうることです。このほか、不動産投資として投資用にマンションを購入する方もいるでしょう。しかし、マンションで家賃収入を得る場合は、いくつかの注意点についても知っておく必要があります。
家賃収入で悠々自適の生活をするはずが、思わぬところで出費がかさんでしまったということにならないように、マンションを貸し出すときにかかる税金や経費などについて、まとめてご紹介します。

不動産を利用して得られる家賃収入とは?

家賃収入というのは、所有しているマンションや一戸建てなどの不動産を人に貸すことで得られる賃料収入のことです。
月額10万円でマンションの1室を貸し出している場合の家賃収入は、月10万円×12ヵ月=年間120万円ということになります。

ただし、不動産を人に貸すことで得られるお金は、賃料だけではありません。
礼金や更新料、共益費などもマンションを貸し出すことで得られるお金です。このほか、借主が退去するときに返還の必要がない保証金も、収入のひとつと考えることができるでしょう。
一方、借主が退去する際に、ハウスクリーニング代などを差し引いて返還する敷金については、収入ではなく預かっているだけのお金(預かり金)ということになります。

家賃収入にかかる税金とは?

保有物件を人に貸し出して家賃収入を得た場合に支払う、おもな税金の種類をご紹介します。これらは、「不動産業を営んでいるわけではなく、住まなくなった家を一時的に人に貸しているだけ」という場合でも支払う必要があるものです。

所得税

所得税というのは、所得(収入から経費を差し引いた額)にかかる税金です。
家賃収入の場合は、毎月の賃料や礼金といった1年間に受け取った額から、広告費や管理費などの必要経費を引いた金額が所得額になります。
家賃収入による金額と、それ以外の所得の額(給与所得や年金所得等)の合計から、所得控除の額(基礎控除、扶養控除、生命保険料控除等)を差し引き、所得税率を掛けることで所得税の金額が決まります。

会社員が持ち家を貸し出したり、副業としてマンション投資を行ったりする場合、給与にかかる所得税については、会社の年末調整で申告をしてもらえます。
しかし、家賃所得に関する所得税については、自分で確定申告をします。会社から発行される源泉徴収票と、家賃収入・経費のわかる書類を持って税務署に相談に行くか、国税庁の確定申告書等作成コーナーを活用して申告を行いましょう。

なお、家賃収入以上に経費がかかっていて赤字である場合や、給与所得者で家賃を含む副業所得の合計が20万円以下の場合など、確定申告をしなくていいケースもあります。

住民税

確定申告をしていれば、住民税の申告を別途行う必要はありません。確定申告の内容が各地方自治体に共有され、住民税が決まります。
一方、家賃収入があるものの、何らかの事情で確定申告をしていない場合、住民税の申告が必要な可能性があります。お住まいの自治体に問い合わせましょう。

住民税額は、住民税課税所得額の10%に5,000円前後の均等割額を足し、調整控除を反映させて決まります。均等割額などの詳細は地方自治体によって異なるため、5~6月頃に手元に届く住民税の通知書を確認しましょう。

なお、所得税と住民税は、支払うタイミングが異なります。

例)2020年1月1日~12月31日に家賃所得があった場合

・所得税

通常、2021年の3月16日までに納付

・住民税

2021年6月以降に納付(給与から天引きされる場合は6月~翌年5月までの毎月、個人で納付する場合は4期に分けて納付、もしくは一括)

住民税は、収入があった翌年6月以降の支払いになります。そのため、住民税の支払いまでに家賃収入が減った場合、支払いが難しくなる可能性があります。あらかじめ積立をしておくなど、納税資金の準備をしておくと安心です。

固定資産税

固定資産税は、所有している不動産に対してかかる税金ですので、マンションを貸している場合でも、自分が住んでいる場合でも、同じようにかかります。
毎年、1月1日時点で不動産を所有しているオーナーが支払うことになります。なお、年の途中で物件を売買した場合は、新しいオーナーが所有期間に応じた固定資産税の額を、元のオーナーに支払うこともあります。

個人事業税は支払うことになる?

家賃収入による所得額が290万円を超え、不動産貸付業とみなされた場合、個人事業税が課されます。
個人事業税とは、特定の事業を営む個人に対してかかる税金です。所得額が290万円を超えていても、事業規模とみなされるかどうかについては都道府県ごとに異なりますので、マンションがある自治体の規定を確認しておきましょう。
目安となる290万円は、家賃や礼金等、1年のあいだにマンションを貸すことで得られた収入から、マンションを貸すために必要な経費を引いた金額です(1年の途中から不動産業を始めた場合は290万円の月割り)。

個人事業税を支払う場合、税率は業種によって異なりますが、不動産貸付業は5%です。個人事業税の申告は、確定申告をしている方であれば不要です。納付の対象者には、8月に納税通知書が届きます。納税通知書が届かなかったは、納付する必要がないということになります。
なお、事業を営んでいる方が支払う税金には、個人事業税のほかに消費税があります。しかし、所有しているマンションを住居として貸し出している場合は、支払う義務はありません。家賃には消費税がかからないためです。

家賃収入において経費になるものとは?

所得税や住民税は、家賃収入から経費を引いた後の金額によって決まります。つまり、経費を漏らさず、すべて申告することが節税につながるのです。
ここでは、マンションを貸し出す際に、経費にできる支出をまとめました。物件購入にかかる費用のほか、経費になるものを確認して、正しく帳簿に記帳しましょう。

マンションの購入費用と減価償却費

減価償却費は、マンションを購入したときの物件価格を、何年かに分けて計上する際に利用します。
管理費のような一般的な経費は、その年ごとにかかった金額の全額を経費として計上します。しかし、マンションの購入費用は、一度に経費として計上するには高額すぎるので、減価償却費として何年かに分けて計上します。
減価償却の年数や、その年ごとの減価償却費の計算方法は、マンションが中古か新築かといった条件によって異なります。計算書も添付する必要がありますので、マンションの賃貸を始めた最初の年は、税務署に行って計算の仕方や申告の仕方を教えてもらうことをおすすめします。

ローン金利の利息分

住宅ローンや投資マンション用ローンを組んでいる方は、月々に支払う返済額のうち、利息分を経費にすることができます。
物件そのものの価格については減価償却費で計上することになりますので、ローンの支払額がすべて経費になるわけではない点にご注意ください。

火災保険などの保険料

賃貸用のマンションにかけている火災保険や地震保険がある場合は、その保険料も経費にすることができます。
ただし、マンションを借りている方がかけている家財保険は対象外です。あくまでも、マンションのオーナーが支払っている保険料が対象です。 なお、住宅ローンを組むときに加入した団体信用生命保険(団信)の保険料は、経費になりません。

固定資産税などの租税公課

租税公課とは、各種の税金のことです。マンションを貸している場合は、固定資産税・都市計画税が該当し、経費にできます。
一方、所得税や住民税は個人にかかる税金ですから、経費にすることはできません。

管理会社の委託料

マンションを貸す場合、通常、不動産会社に物件の管理や仲介を依頼することになるでしょう。
このときにかかる月々の賃貸管理料や、入居者が見つかった際の仲介手数料などは、すべて経費にすることができます。

原状回復などの修繕費

修繕費には、マンションの入居者が退去したときのハウスクリーニングなどにかかる「原状回復費用」と、入居中などに起こった水漏れやエアコンの故障などの「修理費用」の2種類があります。
いずれも経費として計上することができますが、上記のうち原状回復費用は、敷金の一部から支払うことができます。その際の、経費計上の仕方に注意しましょう。

例えば、預かっている10万円の敷金の中から、原状回復費用として6万円を支払い、残り4万円は借主へ返金したとします。
その場合、帳簿上では敷金として借方に10万円、原状回復費用として貸方に6万円と記帳します。そして、返金した4万円は退去による敷金返還として貸方に記帳しますので、結果的に貸主自身の支出はなく、プラスマイナス0円となります。

お金の流れとしては、貸主から預かった敷金を原状回復費として使い、残りの敷金は返金することになります。そのため、原状回復費として使用した金額を収入に計上せず、費用として支払った6万円だけを経費として計上してしまうと、実際の支出よりも経費が高くなってしまい、誤った申告につながりますので注意が必要です。

司法書士・税理士に支払う報酬

マンションを契約する際に支払った司法書士への報酬や、マンション経営に関して相談をしたときの税理士への報酬なども経費にすることができます。
マンションを賃貸に出した際の確定申告を税理士に依頼している方は、それについての報酬も経費にできます。

とはいえ、いくら経費にできるからといっても、税理士に確定申告を頼むには、高額な費用がかかります。一時的に住まなくなった部屋を貸しているという程度の場合は、せっかくの利益を目減りさせないためにも、税務署等に相談しながら自分で申告することをおすすめします。

マンションの管理費・修繕積立金

マンションを保有しているときに支払う管理費や修繕積立金も、経費として計上することができます。
なお、マンションを借りている方から、家賃以外に管理費を受け取っている場合は、収入として計上します。

家賃収入を得るためには物件選びが重要

マンションを賃貸に出したからといって、ただちに家賃収入が得られるとは限りません。なぜなら、なかなか入居者が決まらないこともあるからです。
また、たとえ入居者が決まったとしても、家賃を滞納されてしまって、収入が得られない可能性もあります。
家賃の滞納は、収入が得られないだけでなく、「申告するときは収入とみなされる」というリスクもはらんでいます。たとえ滞納されていたとしても、その家賃が実際に支払われていないと確定するまでは家賃収入があるとみなされ、所得税や住民税が課税されてしまうのです(本当に支払われていないと確定した場合は、損金として利益から差し引くことができます)。

このような事態に陥らないためには、できるだけ需要の高い、魅力的なマンションを選んで購入することが大切です。ニーズが高ければ空室リスクを減らすことができますし、入居者の審査基準も高めに設定することができるでしょう。
将来、マンションを売却する際にも、高値で売れる可能性が高くなります。 特に、最初から賃貸に出すことを視野に入れてマンションを探す際は、現在の需要はもちろん、将来的な需要についても慎重に見定める必要があります。

マンションを貸して家賃収入を得たときは税金や経費に注意

マンションを貸して家賃収入を得ても、そのすべてが手元に残るわけではありません。物件を管理してくれる管理会社に支払う手数料や広告費、修繕費などが経費としてかかりますし、所得に応じた所得税や住民税も課税されることになります。
マンションを貸したときに、どのくらいプラスになるのかを検討する際には、これらの経費や税金についても忘れないようにしましょう。

マンション経営のメリットやデメリットについて、詳しくはこちらをご覧ください。
始める前に知っておきたいマンション経営のメリット・デメリット