マンションは、住戸の玄関が直接道に面していない場合がほとんどのため、基本的には戸建てよりも防犯性は高いといえるでしょう。さらに、戸建てにはないさまざまなセキュリティシステムが設置されているケースも多く見られます。ただし、設置されているセキュリティシステムは、マンションによって異なりますので、自分が住んでいるマンションの設備について、改めて見直してみましょう。
マンションは防犯性が高い?セキュリティに問題がないかチェック!
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
しかし、マンションにセキュリティシステムが備わっているとはいうものの、すべての犯罪を防げるわけではありません。マンションにおける犯罪について理解し、セキュリティ対策やマンションだからこそ気を付けるべきポイントを知って、防犯意識を高めておきましょう。
マンションにおける犯罪とは?
マンションにおける侵入窃盗や侵入強盗について、戸建てと比べてどの程度リスクがあるのか、また、どこから侵入されるケースが多いのかを、データで見ていきましょう。
侵入窃盗・強盗の発生件数
警察庁が、住宅の侵入犯罪のデータを公表しているサイト「住まいる防犯110番」によると、2018年の侵入窃盗の総数は6万2,745件でした。そのうち、侵入窃盗が起こった場所は、一戸建て住宅が42.5%、一般事務所が12.7%、共同住宅(3階建て以下)が11.9%、共同住宅(4階建て以上)が4.1%となっています。4階建て以上のマンションの侵入窃盗被害は、戸建ての10分の1以下と、非常に低い数字であることがわかります。
また、強盗に関するデータでは、2018年の強盗の総数が576件、うち戸建て住宅が15.6%、共同住宅(3階建て以下)が6.9%、共同住宅(4階建て以上)が8.0%となっています。侵入窃盗よりは割合の差は少ないものの、こちらも4階建て以上の共同住宅は一戸建てに比べて約半分に被害発生件数が抑えられています。
侵入の手段
続いて、侵入の手段について見ていきましょう。
同じく「住まいる防犯110番」によると、4階建て以上の共同住宅への侵入窃盗の手段のうち、48.1%が無施錠による侵入となっています。次いで、ガラス破りが17.3%、合鍵が13.4%と続きます。つまり、全体の半数近くが、家主が戸締まりをしていないことによる侵入なのです。これは、戸建ての場合の無施錠による侵入手段46.5%を超える割合です。マンションだからといって油断して、鍵をかけずに家を出るのは危険といえるでしょう。
また、侵入窃盗の侵入口が、戸建てや3階建て以下の共同住宅は半数以上が窓からであるのに対し、4階建て以上の共同住宅の場合、表出入り口が54.1%となっています。このことから、玄関の無施錠がマンションの犯罪被害に遭うリスクを高めていることがわかります。
マンションのセキュリティ対策
マンションは戸建てに比べて、窃盗や強盗の被害に遭いにくい一方で、油断は禁物であることがわかったと思います。そのため、マンションには、さまざまなセキュリティシステムが備えられています。
マンションで見られるセキュリティ対策の種類をご説明しますので、自分のマンションにどのようなセキュリティが備えられているのか確認してみましょう。
・防犯カメラ
防犯カメラは、多くのマンションに設置されているセキュリティシステムです。犯罪の抑制だけでなく、実際に犯罪が起こってしまった場合の捜査にも役立ちます。防犯カメラは、共用ロビーや駐車場のほか、エレベーター内に設置されている場合もあります。
・オートロック
オートロックとは、扉が閉まると自動的に施錠されるシステムのことです。マンション設備におけるオートロックといった場合は、一般的に共用エントランスに設置されていることが多く、マンション内に入る際に、鍵が必要な物件を指します。
・居住階だけに停まるエレベーター
自宅の鍵などを利用することで、住んでいる階にだけエレベーターが停まるシステムがあります。居住階以外のフロアボタンを押すことができなくなるため、オートロックで居住者とともにマンション内へ侵入した不審者による犯罪の抑止などにも役立ちます。
・コンシェルジュや管理人の常駐
マンションのエントランスにコンシェルジュや管理人が常駐することで、人の出入りを監視できます。また、万が一のときは住民が助けを求めることもできるでしょう。コンシェルジュや管理人と顔見知りになることによる安心感も得られます。中には、24時間体制で有人管理しているマンションもあります。
・カメラ付きインターホン
オートロックのエントランスや自宅にカメラ付きのインターホンを設置されていれば、誰が訪ねてきたのか確認することができます。服装などから業者かどうかを見分けることもできるでしょう。機種によっては、映像を録画することもできます。
・シャッター付き駐車場
駐車場の出入りが自由だと、そこから空き巣や車を狙った犯罪者が敷地内に侵入する可能性が出てきます。そこで、人の出入りが自由にできないように、シャッターがついているマンションがあります。
・マンションの利用の仕方による防犯
直接的なセキュリティシステムではありませんが、マンションに住む際の工夫で、防犯につなげることができます。例えば、窓に簡単につけられる補助錠をつける、ベランダに人感ライトを設置する、植木の剪定や共用廊下の見通しを良くして死角をなくすといった工夫です。
マンションだからこそ気を付けたいポイント
戸建てに比べて防犯性の高いマンションですが、前述のとおり、油断することで犯罪者の侵入を許してしまうことがあります。また、マンションの利用の仕方で、防犯性が高まることもご説明しました。
そこで、マンションだからこそ気を付けておきたいポイントや、マンションで暮らす上で意識しておきたいことについてまとめました。
エレベーターは密室になるので注意
エレベーターは、マンションならではの狭い密室です。カメラがないのであれば、知らない相手とは同乗しないといった工夫をする必要があるでしょう。
近所付き合いで防犯につなげよう
マンション住民間での近所付き合いは、ほとんどないという方もいますが、いざというとき頼りになるのは隣近所の人です。万一の際に助けを求めたときに知らないふりをされないために、また、どんな人が住民なのかを把握しておくためにも、挨拶程度の付き合いを最低限でも持っておいたほうが安心です。
必ず施錠をする
たとえオートロックがあったとしても、前述のデータにもあるとおり、玄関の無施錠は危険です。「オートロックがあるから」と油断しないようにしましょう。
ベランダや屋上からの侵入を防ぐ
マンションでは、隣の家のベランダから、比較的簡単に自宅へ侵入されてしまいます。窓に防犯フィルムを貼ったり、窓用補助錠を使ったりして窓からの侵入を防ぎましょう。
最上階の部屋の場合は、屋上からの侵入にも注意が必要です。
灯りのつけ方に注意しよう
ワンルームマンションの場合、部屋の灯りをつけると外から一目瞭然なため、帰宅時間を簡単に把握されてしまいます。一人暮らしの場合など、ストーカーなどに狙われる可能性がある場合は、灯りにも注意しましょう。 常に灯りをつけておいたり、タイマー設定ができる電灯に変えたりするなどの工夫が必要です。
防犯性能が高いマンションでも防犯意識は大切
いくらマンションのセキュリティシステムが万全でも、住んでいる人自身の防犯意識が低いと犯罪に遭うリスクは高まってしまいます。
自分の住むマンションでどのような対策がとられているのかを知っておくとともに、自分でできる防犯対策をしておき、防犯意識を持って生活することが大切です。
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