事故物件の定義とは?マンションを選ぶ前に知っておきたい見分け方

2020年09月18日

マンションを探す中で、事故物件を気にする人も多いかと思います。事故物件が殺人事件や死亡事故に関係している物件であることは一般的に知られていますが、そのほかにどのような事象が該当するのかはあまり知られていません。
そこで、マンション選びの前に知っておきたい事故物件の定義や見分け方などについてご説明します。

事故物件とはどんな物件のこと?

事故物件とは、一般的に室内や共用部などで人が亡くなった物件を指します。殺人や自殺によるものだけでなく、自然死も含まれます。ただ、事故物件に明確な定義はなく、不動産会社ごとの基準で判断されることが多いため、亡くなり方が自然死だった場合は事故物件として扱わないなど、あいまいな部分も多いのが実情です。

なお、事故物件は、不動産会社では「瑕疵(かし)物件」や「告知事項あり」と提示されることも多く、死亡理由などは個別に開示されるケースが大半です。また、「瑕疵」は法律用語で、本来備わっているはずの機能や性能の欠陥を指すため、不動産会社の規定による瑕疵物件に、事故物件が含まれないケースもあります。

瑕疵物件に該当する欠陥とは?

瑕疵物件とは、物件や周辺環境に何かしらの欠陥が認められる物件のことで、状況別に「心理的瑕疵物件」「物理的瑕疵物件」「環境的瑕疵物件」の3つに分けられます。

・心理的瑕疵物件

心理的瑕疵物件は、のちに入居する人が不快感や精神的ストレスを抱くと思われる出来事があった物件のこと。この心理的瑕疵物件が事故物件に該当します。
心理的瑕疵は借り手や買い手の心情にゆだねられる部分も大きいため判断が難しく、入居後にトラブルに発展することも考えられます。不動産会社の中には心理的瑕疵物件は物理的に欠陥があったわけではないので瑕疵物件には含めず、「心理的瑕疵物件」と明記するところもあります。

・物理的瑕疵物件

物理的瑕疵物件は、構造上の問題や自然災害被害などによる物理的な欠陥がある、もしくはあった物件のことです。
雨漏りやひび割れ、白アリ被害など、建物の欠陥だけでなく、地盤沈下や液状化といった土地の欠陥も含まれます。

・環境的瑕疵物件

環境的瑕疵物件は、土地や建物ではなく、周辺環境に問題がある物件です。
繁華街や工場などが近く騒音や振動といった問題に悩まされやすい、ごみ処理場や火葬場、墓地などの嫌悪される施設が近くにある、近所にごみ屋敷があり悪臭や害虫の問題を抱えている、近くに指定暴力団等の事務所がある、近隣の高層マンションに日照が阻害されているなどの事象が該当します。

心理的瑕疵物件の内容とは?

では、不動産情報の備考欄などに、事故物件に該当する「心理的瑕疵物件」と書かれていた場合、どのような出来事が考えられるのかさらに細かく見ていきましょう。主な内容は次のようなものになります。

・殺人や自殺などで人が亡くなった
・火災や水害の被害で人が亡くなった
・死亡者はいないが、事件や事故、火災などがあった
・自然死だが遺体が腐敗した状態で発見された
・性風俗や犯罪の拠点として使用されていた
・殺人犯や犯罪者が住んでいた、もしくは同じマンション内に住んでいる
・墓地や病院の跡地に建てられた

このように、一般的にマイナスの感情を抱くと思われる出来事があった物件が対象になります。
そのため、周辺に火葬場や墓地、ごみ処理場、新興宗教施設といった嫌悪感を抱かれやすい施設や、指定暴力団等の事務所があるなどの環境的瑕疵でも、心理的瑕疵物件に分類されることがあります。
「心理的瑕疵物件(事故物件)=人が亡くなった部屋」ではありませんので、まずは心理的瑕疵の内容を不動産会社や家主などに確認する必要があります。

事故物件の告知義務とは?

物件に瑕疵がある場合は、重要事項として、契約成立前に書面で告知することが「宅地建物取引業法」の第三十五条で決められています。告知義務を怠ると、売買契約の解約や損害賠償金の支払いといったペナルティが科せられますので、通常の不動産取引では正しく告知され、買い手や借り手は契約前に瑕疵の原因を把握することができます。この場合の瑕疵には、心理的瑕疵物件も含まれます。

ただし、事故物件の認定は不動産会社ごとの判断による上、告知の期限などにもルールがないので、事故物件に至った原因からある程度の年数が経っていると告知されないこともあります。また、一度売り手や借り手がついて所有者が変わった場合、次に売りや貸しに出すタイミングでは告知義務がなくなるため、たとえ事故から日が浅くても、通常の物件として紹介されることがあるのです。

書面による告知がされておらず、契約前の内覧などでも気付けなかった瑕疵は「隠れた瑕疵」といわれ、入居後に問題が生じた場合は、「契約不適合責任」として、おもに追完請求(売主に対して補修費などの請求を行える)や契約解除などが行えます。 ただし、雨漏りなどの物理的瑕疵は隠れた瑕疵であることを立証しやすいのに対し、心理的瑕疵は交渉が難しくなりがちです。

事故物件を見分けるには?

事故物件は、法律により告知が義務付けられている一方で定義が曖昧なため、事故の程度や経過年数などによって通常の物件として紹介されることもあり得ます。そのような場合に事故物件を見分けるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

敷金や礼金、更新料などがない、水商売や外国人可となっている

告知をせず家賃を下げない代わりに、敷金や礼金、保証金、更新料をなしにして実質的に安くしたり、保証人不要、ペット可や、水商売・外国人の入居も可として入居条件を下げたりしていることがあります。
同じマンション内でその物件だけに適用されている、途中から条件を変更しているなどの場合は、理由を尋ねてみましょう。

不自然に感じるリフォームがされている

畳や壁紙の一部だけが張り替えられている、1部屋だけきれいになっている、風呂場だけが交換されて新しくなっているなど、不自然に感じるリフォームがされていた場合は、そこで人が亡くなったために取り換えた可能性があります。

マンション名を変更している

事件や事故でマンション名が報道された場合などは、イメージを払拭(ふっしょく)するためにマンション名を変更することがあります。ただ、オーナーチェンジによりマンション名を変更している場合もあるので、よく確認しましょう。

気になる点がある場合は、不動産会社や仲介業者などに確認しましょう。周辺環境などについては、近隣住民に尋ねるのもひとつの手です。
最近ではインターネット上で事故物件を紹介しているサイトもあるため、検索することで詳しい状況を把握できることもあります。ただし、中には正確な情報ではなく、単なるいたずらや虚偽の情報もまぎれている可能性もあるので、鵜呑みにせずに調べましょう。

事故物件を購入するか迷ったら?

気に入った物件が瑕疵物件だった場合、まずは瑕疵の内容を具体的に開示してもらいましょう。
例えば、瑕疵が工場による日中の騒音だった場合、その時間帯は仕事で不在にする人であれば問題には感じないかもしれません。また、死亡案件でも、前の入居者家族の一人が自然死により自宅で息を引き取ったなど、事件性がないケースであれば、自然なこととして気にならない人もいるでしょう。事実確認をしっかり行い、納得した上であれば、入居後のトラブルにもつながりにくくなります。
なお、事実関係を確認し、内容と価格に相違を感じるようであれば、値引き交渉を行うことも可能です。

事故物件の購入は、後々の負担も考えて検討しましょう

事故物件にはさまざまな原因があり、すべてが人の死に関係しているわけではありません。
原因によっては、購入費用の安さが勝って魅力となるケースもあるでしょう。ただし、心理的瑕疵が思っていた以上に精神的負担を伴ったり、後から同居した家族が極度に嫌悪感を抱いたりすることもあるため、安いからと安易に飛び付かず、よく検討することが大切です。