ディスポーザー付きマンションのメリット・デメリット

マンションにはさまざまな設備がありますが、中でも人気の高い設備にディスポーザーがあります。一般的には、キッチンで出る生ゴミは三角コーナーなどにまとめて、定期的に処分するものでしょう。生ゴミは短時間でも腐敗が進みやすく、特に夏場は悪臭や害虫が発生する原因になります。生ゴミを手軽に処分できるディスポーザーは、そんなキッチンの悩みを解決してくれる便利な設備です。

今回は、ディスポーザーの仕組みやメリット・デメリットを解説します。併せて、マンションでディスポーザーを後付けしたい場合の注意点についても見ていきましょう。

生ゴミを処理してくれるディスポーザー

ディスポーザーとは、シンクの排水口に設置する生ゴミ処理設備です。野菜くずなどの生ゴミをディスポーザーに入れると、内部のブレード(刃)によって細かく粉砕され、そのまま水で流して捨てられるようになります。

ディスポーザーは、1920年代にアメリカで開発された生ゴミ処理機が進化したもので、日本でも1970年代には大手メーカーが製造をスタートしました。アメリカでは44%の家庭に導入され、都市によっては普及率が90%を超える所もあるそうです。 1970年代当時、日本では現在より下水処理機能が発達しておらず、その状態でディスポーザーを利用すると、粉砕した生ゴミがそのまま河川などに放流されてしまいます。環境悪化が懸念されたことから製造や使用の自粛が行われ、大々的な普及には至りませんでした。現在でも多くの自治体が、排水処理施設がないディスポーザーの設置を認めていません。

高額で大掛かりな排水処理施設を用意しなければならない点は、ディスポーザー設置のハードルですが、最近では設置にあたって助成金を出す自治体もあります。また、ディスポーザーと専用処理槽がセットになった、「ディスポーザ排水処理システム」を標準設備とするマンションが増えています。

ディスポーザーの仕組み

ディスポーザーは製品によって多少異なりますが、基本的な使い方は排水口に設置したディスポーザーに生ゴミを入れ、蓋をしてスイッチを入れるだけです。
ディスポーザーが標準設備のマンションの場合、粉砕された生ゴミは下水道へ流れる前に、マンション内の処理設備で処理されます。分離した固形分を濾過バクテリアが分解した上で下水道へ排水されるため、環境汚染の心配はありません。

ディスポーザーのメリット

マンションの設備として人気のディスポーザーは、便利そうなイメージがありますが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ディスポーザーを利用するメリットをご紹介します。

ゴミの量が減る

生ゴミは水分を含んで重い分、家庭ゴミの中でも大きな割合を占めます。ディスポーザーで粉砕すれば生ゴミが減り、ゴミ出しの負担が軽減できます。ゴミの指定日まで生ゴミを家に置いておく必要がない点も大きなメリットでしょう。ゴミ袋が有料の自治体であれば、ゴミ袋代の節約にもなります。

シンクを広く使える

ディスポーザーがあれば、シンク内の三角コーナーなどの生ゴミをまとめるスペースが不要となり、シンクを広々と使うことができます。調理の際、生ゴミが近くにあることで衛生面が心配になることがありますが、そういった心配も必要なくなるでしょう。生ゴミを放置しなければ排水口のぬめりやカビなども発生しにくくなるため、排水口の掃除が楽になるメリットもあります。

悪臭や害虫の発生を抑えられる

ディスポーザーで調理の後にすぐ生ゴミを処理すれば、生ゴミを溜め込まずに済むため、カビや菌の発生が抑えられます。カビや菌が抑えられれば悪臭が発生しにくく、清潔な状態が保てるでしょう。家の中に生ゴミがないことで、小バエやゴキブリの発生も抑えることができます。

ディスポーザーのデメリット

とても便利なディスポーザーですが、いくつか注意点もあります。デメリットも把握した上で、導入を検討することをおすすめします。

維持管理費がかかる

ディスポーザーを使い続けるためには、定期的に排水処理設備のメンテナンスが必要です。粉砕するとはいえ生ゴミを流すため、排水口を高圧洗浄して、悪臭や詰まりなどを防がなくてはなりません。
ただし、排水処理施設の維持費はマンションの管理費や共益費に含まれるため、住人が特別に支払っている感覚はないでしょう。

電気代・水道代がかかる

消費電力や水量は製品によって異なりますが、ディスポーザーの使用には、電気代と水道代がかかります。とはいえ、1日に2~3回使用する場合で、電気代と水道代合わせて毎月400~500円程度です。三角コーナーや専用のゴミ袋を用意するコストはなくなりますが、水道代・電気代が発生することは押さえておきましょう。

振動や音がする

ディスポーザーを稼働させると、ミキサーのような音と振動が発生します。近隣の住人に迷惑をかけないためにも、早朝や深夜の使用は避けたほうがいいでしょう。
しかし、各メーカーがディスポーザーの静音・防振化を進めているため、以前より音も振動もしなくなっています。また、処理時間は1分程度なので、そう気になるものではないでしょう。

処理できないゴミもある

ディスポーザーは、どんなゴミでも処理できるわけではありません。固すぎるゴミや熱すぎるもの、薬品などは、ディスポーザーの故障の原因になってしまいます。

<ディスポーザーの故障の原因となるゴミ>

・金属
・プラスチック
・ビニール
・ガラス
・陶器
・輪ゴム
・トウモロコシやタケノコの皮など、硬い繊維質
・大量の熱湯や油類
・牛・豚などの大きめの骨
・大きめの貝殻やカニの殻
・薬品
・たばこの吸い殻

こうしたゴミは、排水管の詰まりや故障の原因にもなるため入れないように気をつけ、大きなゴミや厚いゴミなどは細かくしてから投入しましょう。固すぎるゴミは入れず、熱湯は水で薄めて流す、油類や薬品は個別に処理するなどの注意が必要です。

マンションにディスポーザーを後付けできる?

ディスポーザーは、どのマンションでも設置されているわけではありませんから、後付けで設置したいと考える方もいるでしょう。ディスポーザーを後付けすることは可能ですが、大前提としてマンションの管理規約でディスポーザーの設置が認められていることが必要です。
ほかにも、以下のような注意点があるため、独自にディスポーザーを設置する場合は事前に確認しておきましょう。

排水処理設備があるか

東京23区内では、東京都下水道条例施行規程によって、ディスポーザ排水処理システム以外のディスポーザーの設置が認められていません。ディスポーザ排水処理システムは、ディスポーザーで粉砕した生ゴミを含んだ排水を、排水処理装置で浄化処理した上で下水道に流すというものです。

排水処理システムは、濾過バクテリアで処理する生物処理タイプと、機械で処理する機械処理タイプがあり、どちらもそれなりに大掛かりなものです。ディスポーザーを後付けする場合は、設置の工事ができるか、スペースがあるかといったことをクリアする必要があります。

シンク下に十分なスペースがあるか

ディスポーザーは排水口に設置するため、シンク下に十分なスペースが必要です。設置スペースを確保できない場合、別途工事が必要となりますし、キッチンのタイプによっては設置できないこともあります。

自治体への届出が必要

ディスポーザーを設置する際は、工事の届出書や設置計画書など、さまざまな書類を自治体に提出して許可を得る必要があります。自治体によって提出書類は異なるため、そちらも事前の確認が必要です。無断で設置した場合、自治体から過料などが命じられることもありますので、注意してください。
また、自治体によっては、ディスポーザーの設置を認めていないところもあるため、設置を検討する場合はまず自治体に問い合わせることをおすすめします。

マンション探しはディスポーザー付き物件をチェック

生ゴミ処理の手間が省け、キッチンの悪臭や虫の発生が抑えられるディスポーザーは、マンションに設置されていれば、ぜひ利用したい設備です。
しかし、後付けするとなると、管理規約で認められていなかったり、スペースが確保できなかったりと、いくつかのハードルがあります。間取りや共有施設ほど関心を持たれないものですが、マンション選びの際は、ディスポーザーがあるかどうかも確認してみてください。