マンションのWi-Fiが遅い?リモートワークを快適にするネット環境

2020年08月21日

新型コロナウイルス(COVID-19)による緊急事態宣言から、急速にリモートワークを進める企業が増えています。これを機に、事態が収束しても新しい働き方として、リモートワークが定着する可能性は高いと考えられています。リモートワークを快適に進めるためには、自宅で仕事ができる環境を整えることが重要です。その中でも特に欠かせないのが、インターネット環境でしょう。

家庭で利用するだけなら問題なかったインターネット環境でも、仕事となると問題が起きることもあります。ビデオ会議にうまくつなげられなかったり、ファイルがなかなかアップロードできなかったりすれば、仕事に支障が出るでしょう。
リモートワークの効率を上げるためにも、何が原因でインターネットの遅延や障害が発生するのか、どうすれば改善できるのかといった基礎知識をご紹介します。

マンションのインターネット通信速度を調べる方法

マンション内でインターネットを利用していて、通信速度が遅いと感じるときは、通信速度を確認してみましょう。まずは通信速度を調べる方法と、快適に使える目安の速度を紹介します。

通信速度を調べるサイト

インターネットの通信速度を調べるためには、「スピードテスト」を行います。スピードテストはさまざまなウェブサイトで試すことができるため、「速度テスト」「スピードテスト」などと検索してみるといいでしょう。「BNR スピードテスト」や「Fast.com」「ブロードバンドスピードテスト」などが有名です。
スピードテストができるウェブサイトにアクセスしたら、スタートボタンを押すなどするだけでインターネットの通信速度を測定できます。

通信速度の目安

インターネットの通信速度はbpsという単位が使われ、1秒間にどれだけのデータを転送できるかを表しています。数値が高ければ高いほど1秒間に送れるデータが増えるため、快適にインターネット通信ができるでしょう。1,000bpsを1kbps、1,000kbpsを1Mbps、1,000Mbpsを1Gbpsと表記します。
一般的に、通信速度が10M~30Mbps程度あれば、ストレスなくインターネット通信ができるといわれています。スピードテストで20Mbps以上の結果が出れば、快適にインターネットを利用できる環境と考えていいでしょう。

通信速度には上りと下りがある

インターネットの通信信速度を計測すると、上りと下りの2種類の数値が表示されます。上りと下りは通信の方向を表しており、上りはメール送信やSNSへの画像投稿など、パソコンからインターネット上へデータを送るときの通信のことです。下りはメール受信やウェブサイト閲覧、動画視聴、各種ファイルのダウンロードなど、インターネット上の情報を自分のパソコンで受け取るときの通信のことを指します。
どのような使い方をするかにもよりますが、快適にインターネット通信を行うためには、下りの速度が重要となります。もし、上りが20Mbps程度でも、下りの速度が遅ければストレスを感じてしまうかもしれません。

マンションのインターネットが遅い原因は?

自宅でパソコンを利用してインターネット接続をする場合、接続サービスを提供するプロバイダーと、光やADSLといった通信回線を提供する事業者との契約が必要です。さらに、通信回線とパソコンなどの機材をつなぐためにモデムやONU(光回線終端装置)といった装置が必要になります。インターネット接続の速度が遅かったり、つながらなかったりといった場合、このうちのどこかに問題があると考えられるでしょう。
マンションのインターネット回線は光回線が主流になっていて、光回線=高速というイメージがありますが、必ずしもそうとはいえません。マンションでインターネットが使えなくなったり、通信速度が落ちたりする原因をご紹介します。

接続機器類に問題がある

これまでは問題なく利用できていたのに、急にインターネット接続できなくなった場合、各家庭のルーターやモデム、ONU、ケーブルといったインターネットの接続機器類に何らかの不具合が発生しているケースがあります。まずは、コンセントやケーブル類がきちんと差し込まれているか、断線している部分はないかなどをチェックします。きちんと接続されていたとしても、一度抜き差ししてみましょう。それでも改善しなければ、ルーターやモデム、ONUの再起動を試してみてください。
単に接続機器がフリーズしてしまった場合は、再起動で解消されます。それでも頻繁にインターネットが使えなくなる場合は、契約しているプロバイダーに連絡し、機器類の修理や交換、買い替えを検討しましょう。

マンション内で同時接続している人が多い

マンション・アパートなどの集合住宅の場合、それぞれの部屋に回線を引きこむのではなく、マンション全体で1つの回線を共同利用(共用・シェア)している場合がほとんどです。そのため、同時にインターネット接続する人が多いと、回線が混雑して渋滞のような状態になり、マンション全体の接続速度が低下してしまうのです。
特に、大規模マンションなどで同時利用が多いと発生しやすく、通信速度低下の度合いも利用者の数に比例します。利用者が減らなければ、長時間にわたってインターネットに接続できない状況が続く可能性もあるでしょう。

これまでも、マンションに在宅している人が多い夜間に遅延が発生することはよくありました。最近では、リモートワークが広まったことで昼間も在宅している人が増え、日常的に遅延が発生しているマンションもあるようです。なかなか改善しない場合は、回線を提供している事業者に問い合わせ、混雑状況を確認してみましょう。

プロバイダーに問題がある

プロバイダーに問題があり、インターネット接続ができなくなったり、通信速度が落ちたりすることがあります。インターネットはプロバイダーを介して接続しているため、プロバイダー側に何らかの障害が発生すればつながりにくくなります。プロバイダーの公式サイトの障害情報を定期的にチェックし、何が原因なのかを確認してみましょう。モデムやONUにエラーランプがあれば、それが点滅することもあります。

また、障害が起きていなくても、プロバイダーのサーバの質や処理能力によって、通信速度に差が出ることがあります。

マンションでWi-Fi接続に問題があるときの対処法

自宅のさまざまな場所でインターネットができるよう、ワイヤレスでWi-Fi接続を利用している人が増えています。Wi-Fiを利用していてインターネット通信速度が遅い、つながらないという場合、光回線とは別の原因がある場合があります。
続いては、Wi-Fi接続でインターネットの通信速度が遅かったり、つながらなかったりする場合の対処法を紹介します。

無線LANルーターを設置する場所を見直す

Wi-Fiがつながりにくい場合、無線LANルーターの設置場所を見直しましょう。Wi-Fiの電波は約100m程度離れた地点まで届くといわれていますが、これは遮蔽物がないときに限ったことです。
無線LANルーターとパソコンの距離が離れすぎていたり、壁や天井、扉など遮蔽物が多かったりすると、スムーズに通信できません。間取りや家具の配置などにも関係しますが、無線LANルーターは以下のポイントに注意して設置してください。

<無線LANルーターを設置する際のポイント>

・できるだけ家の中央の、壁から離れた場所に置く
・大型家具、家電、水槽、金属、鏡の近くには置かない
・床に直置きせず、高さ1〜2mの位置に置く
・本体に布やカバーをかけない

家電の干渉を避ける

無線LANルーターは、電子レンジやIHクッキングヒーターなどの家電と同じ周波数である「2.4GHz」の電波を使用していることがあります。そのため、近くで使用すると、お互いが干渉してうまく電波が届かないことがあります。
家電の近くに無線LANルーターを置かない、家電とインターネットを同時に使用しないなど、電波干渉を受けないようにしましょう。

Wi-Fiの接続設定を見直す

無線LANルーターは、機器によって「2.4GHz」と「5GHz」のどちらかの電波(周波数帯)を使用しています。特に設定していなければ、2.4GHzで接続していることが多いでしょう。2.4GHz、5GHzの電波には、下記のように違った特徴があります。

・2.4GHzの特徴

2.4GHzの電波は周波数が低いため、電波が遠くまで届きやすく、壁や床などの遮蔽物にも強いという特徴があります。ただし、電子レンジやIHクッキングヒーター、Bluetooth機器など、ほかの家電と電波干渉しやすいところが難点でしょう。

・5GHzの特徴

5GHzの電波はWi-Fi専用のため、ほかの家電と電波干渉せず、安定的に通信できます。しかし、壁や床などの遮蔽物には弱く、無線LANルーターの設置場所に注意する必要があります。

最近では、どちらの帯域も利用できる無線LANルーターが多く、使い方によって接続する電波の設定を変えることが可能です。まずは5Ghzで接続してみて、つながらないときは2.4GHzに変えてみるといいでしょう。

無線LANルーターそのものを見直す

無線LANルーターは、機種によって性能や機能が異なり、インターネットの通信速度に影響します。自宅の無線LANルーターに必要とする機能があるかを調べ、場合によっては買い替えも検討しましょう。無線LANルーターあると便利な機能をご紹介します。

・バンドステアリング

バンドステアリングは、2.4GHzと5GHzのうち、混雑していない周波数帯を自動的に選んで通信する機能です。この機能があれば、電波帯の設定の必要がありません。家電の電波干渉や遮蔽物があるときでも、インターネット通信がスムーズになります。

・MU-MIMO

MU-MIMOは、無線LANルーターから複数の異なる信号を同時送信する1対多の通信技術です。パソコンやスマートフォン、ゲーム機などを同時に接続しても、通信速度が低下しにくくなります。

・ビームフォーミング

ビームフォーミングとは、特定の方向に向けて最適な電波を送信する機能です。無線LANルーターからパソコンまで遮蔽物があったり距離が離れていたりしても、通信可能な距離や通信速度が向上し、途切れにくく安定した通信ができます。リモートワーク中は書斎にこもりたいといったときに役立つでしょう。

・WPS

WPSは、無線LANルーターとパソコンなどを簡単に接続できる機能です。Wi-Fi接続する場合、通常はネットワーク名(SSID)やセキュリティキーなどを入力する必要があります。WPSの機能があれば、無線LANルーターと、接続するパソコンなどのボタンを押すだけで、面倒な入力なしに接続設定が完了します。
WPSは無線LANルーターの種類によって、「簡単セットアップ」「AOSS」「らくらく無線スタート」といった名称があります。

マンションのインターネット環境を改善する方法

プロバイダーで障害が起きていない、接続機器を再起動した、設置場所も見直した――それでもインターネットの通信速度が回復しない場合、以下の方法を試してみましょう。

LANケーブルの見直し

LANケーブルでモデムとパソコンをつなげれば、基本的には安定してインターネット接続ができます。しかし、回線の速度に問題がないのにインターネット接続が遅い場合は、LANケーブルに問題があるかもしれません。LANケーブルには「カテゴリ」という規格があり、通信速度や周波数が異なります。

■LANケーブルのカテゴリと通信速度

カテゴリの数字が大きいほど、通信速度も速くなります。それに従って価格も上がる傾向がありますが、光回線を利用している場合は、できれば「カテゴリ6A(CAT6A)」以上のLANケーブルを使用しましょう。

利用時間帯の見直し

マンションでは、1つの回線を住民が共用しています。そのため、利用者が多い時間帯ほど回線が混雑し、通信速度が低下します。早朝や深夜など、利用者が少ない時間帯であれば通信速度が落ちず、快適にインターネットに接続できるでしょう。
始業・就業時間が決まっていたり、コアタイムが設定されていたりする場合は難しいかもしれませんが、フルフレックスの企業であれば、利用者の少ない時間に仕事をするという手もあります。

回線の乗り換えを検討

マンションのインターネット環境がどうしても改善しないという場合は、回線の乗り換えを検討しましょう。1つの回線を住民全員で共用する「マンション契約」ではなく、1つの回線を1つの家庭で独占利用できる「戸建て契約」に変更すれば、通信速度は大幅に改善するはずです。
ただし、戸建て契約の場合、開通の工事が必要になります。工事には1ヵ月程度時間がかかることが多く、室内の壁に穴を開ける場合もあります。利用料金も戸建て契約のほうが高い場合が多いため、よく検討してください。

マンションでも快適にインターネットを利用しよう

リモートワークを快適に進めるには、高速なインターネット環境が必要不可欠です。ただし、マンションでは1つの回線を複数の住民で共有するという特徴から、インターネットの通信速度が落ちてしまうことがあります。さらに、プロバイダーや接続機器、利用時間帯など、通信速度が落ちる原因はたくさんあります。
インターネットの通信速度が遅いと感じたときは、まずは自宅マンションのインターネット環境を把握し、適切に対処しましょう。