マンションの居住者も自治会への加入は必要?加入しない場合について

2020年10月09日

地域住民の集まりである自治会は、戸建て住宅の人が加入するイメージが強いかもしれません。しかし、マンションに住んでいる人であっても、同じ地域に住んでいるという点では共通しています。そのため、自治会に加入したほうがいいのかどうか迷う人もいるでしょう。
ここでは、マンション住民にとって自治会が果たす役割や、加入しないことによるデメリットがあるのかをまとめました。また、似たような組織であるマンション管理組合と自治会の違いについても解説します。

自治会の役割や活動内容とは?

自治会は、同じ地域に住む人同士が親睦を深めるとともに、より暮らしやすい地域環境を作っていくための団体です。
近年、核家族化が進む中で、地域住民同士の関わりが薄れ、いざというときに頼れる人が近くにいなかったり、隣近所の人の顔と名前が一致していなかったりといったケースも増えています。自治会は、こうした状況を回避し、地域のつながりを深めていくために役立ちます。
自治会と似た言葉に「町内会」があります。町内会も、地域住民が暮らしやすい環境を作るための任意団体で、自治会と意味は同じです。地域で結成された団体を何と呼称するかは、地域によって異なります。

災害や病気など、万一のときに頼れるのは、遠くの親戚よりも近くに住んでいる他人であるというのは、昔からよくいわれていることです。自治会活動を通して住民同士の絆が深まれば、より助け合いをしやすい環境が生まれると考えられます。
それでは、自治会には必ず加入しなければならないのでしょうか?加入義務の有無や活動内容について下記にまとめました。

自治会の加入義務や加入条件

自治会というのは、地域住民同士が集まって作っている任意団体です。公的な団体ではないため、各地方の役所が運営しているわけではありませんし、加入も義務ではありません。
加入条件は「その地域に居住している住民であること」ですので、マンションに住んでいる場合でも居住地域の自治会に加入することができます。また、賃貸マンションでは、入居の際に自治会への加入を求められるケースもあります。
一方、タワーマンションのように住んでいる人の数が多いマンションでは、マンション独自の自治会を形成しており、居住者が加入するよう求められる場合があります。賃貸マンションやタワーマンションなども、自治会への加入は任意です。

自治会の活動内容

自治会ではおもに、「地域住民の安全を守る活動」と「地域環境を良くする活動」「地域住民の親睦を深める活動」の3つが行われています。

・地域住民の安全を守る活動

安全を守るための活動の代表例に、防災訓練があります。同じ地域に住んでいる人は、台風や地震が起こったときも、同様の被害を受けることになります。地域の避難場所や避難経路などを確認しておくことで、スピーディーな避難ができるでしょう。

・地域環境を良くする活動

地域環境を良くする活動には、地域の清掃やゴミ拾い、街路樹の整備などが挙げられます。こうした清掃活動は、自治会の中で当番を決めて行われることもあります。
また、自治会によっては、ゴミ捨て場や街灯の管理を行っているところもあります。

・地域住民の親睦を深める活動

住民同士の親睦を深める活動としては、自治会が主体となって、地域のお祭りやバザーなどが行われている場合があります。

自治会とマンション管理組合の違い

マンション管理組合も、自治会と同じように、近隣に住んでいる人で構成される団体です。しかし、マンション管理組合と自治会は、まったく異なる特徴を持っています。おもな違いは、下記の2つがあります。

加入義務や条件の違い

マンション管理組合の加入は義務です。マンションを所有している人は、全員加入しなければなりません。
一方、自治会の加入は任意です。その地域に住んでいるからといって、必ず加入しなければならないものではありません。
また、マンション管理組合は「そのマンションを保有している人」が加入できます。一方、自治会の加入条件は、「その地域に住んでいる人」です。

つまり、マンションを借りて住んでいる人は、マンション管理組合には加入することができませんが、自治会には加入することができます。また、マンションを保有して人に貸している人は、管理組合に加入する義務がありますが、同じ地域に住んでいない場合、自治会には一般的に加入できません。

目的の違い

マンション管理組合は、マンション内の共有設備や、マンション全体の維持管理を目的として結成されています。マンションは、定期的に清掃や管理、点検、修繕などを行わなければ、良い状態を保つことができません。マンションの安全性を確保するとともに、資産価値を落とさないためにも、マンションの管理は大切なのです。
一方、自治会は地域住民同士のつながりを深め、より暮らしやすい地域を目指すために結成されています。地域内の物件の管理などは行いません。

マンションの居住者が自治会に加入するメリット

マンションに住んでいる人は、マンション内の人と自然とやりとりをすることもあるでしょう。マンション管理組合が開催する防災訓練やイベントにも参加することができます。また、ゴミ捨て場もマンション内の施設を使いますから、地域のゴミ捨て場を利用することもありません。
そのため、マンションに住んでいる人の中には、自治会に加入するメリットが薄いと感じる人もいるかもしれません。しかし、自治会には、地域全体の人と交流を持ち、地域の情報を得られるなどのメリットがあります。

地域住民と交流できる

自治会に加入すると、同じマンションに住む人以外の地域住民とも交流を深めることができます。
子供がいる人はもちろん、そうでない場合も、近隣の人と親しい付き合いを持つことは、その地域で暮らす上での安心や安全につながるでしょう。

地域の情報が手に入りやすくなる

自治会では、回覧板を回すなどの方法で、地域情報の共有を行います。自治会に加入することで、近隣で行われる工事の日程や病院の休診日、新しい施設のオープンなど、自分が暮らす地域内で起こるさまざまな出来事をスピーディーにキャッチしやすくなるでしょう。
このような地域に特化した情報は、インターネットよりも住民からの口コミや回覧などのほうが早く伝達されることが少なくありません。快適に暮らしていくために、地域情報が入手しやすいというのは大きなメリットになります。

災害時の助け合いが期待できる

災害が発生した際には、地域ごとの避難所に避難したり、それぞれの自宅で救助を待ったりすることになります。このようなときに、同じ自治会に加入している人と助け合うことができれば、心強いでしょう。
もちろん、自治会に加入していないからといって、避難所に入れなかったり、救援物資が受け取れなかったりということはありませんが、顔見知りが多いほうが安心です。万一、家族とはぐれたときも、住民からの情報を得ることで探しやすくなるでしょう。

マンション居住者が自治会に加入するデメリット

マンションに住んでいる人が自治会に加入することで生じうるデメリットとしては、費用面や労力面のものが挙げられます。

自治会費がかかる

自治会に加入すると、自治会費の支払いを求められます。金額は自治会によって異なりますので、心配な人は事前に確認しておくといいでしょう。

地域の活動に参加する必要がある

自治会の加入者は、地域のお祭りや防災訓練、地域の美化活動といった行事に参加しなければいけない場合があります。なお、このような活動をしたからといって、給与等が出ることはありません。基本的に無償で手伝いをすることになります。
どの程度活動を行っているのかや、活動免除の有無などは、自治会によって異なります。仕事で参加が難しいといった事情があるときは、加入前に相談してみてください。

役員になる可能性がある

自治会にも、マンション管理組合と同じように役員があります。役員になると、自治会費の取りまとめや回覧板の作成といった事務作業のほか、イベントの企画・運営などを行うことになります。地域活動にも、より積極的に参加することになるでしょう。
役員をどのように決めるのかも、自治会によって異なります。持ち回りの可能性もありますから、役員になりたくない人は、拒否できるかどうかを確認しておきましょう。

自治会の加入は義務ではないが、マンション居住者にもメリットがある

自治会への加入は、マンションに住んでいるかどうかにかかわらず任意です。
絶対に入らなければいけないものではないため、加入を拒否しても構いません。しかし、自治会に加入することで、地域の人との関わりを深めることができます。災害時の助けにもなりますし、地域の情報も入手しやすくなるといったメリットもありますから、一度加入を検討してみてはいかがでしょうか。