住宅は、人生における最も高額な買い物といわれています。簡単にやり直しができないからこそ、後悔のない住宅選びをしたいものですよね。
住宅には、「マンション」と「戸建て」という大きな2つのくくりがあります。実際のところ、どちらを選ぶのが正解なのでしょうか。それぞれの特徴を比較してみましょう。
マンションと戸建てを徹底比較!それぞれのメリット・デメリットは?
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
マンションのメリット
まず、分譲マンションを購入するメリットについて考えてみましょう。もちろん、物件によって特徴は異なりますが、一般的に該当する場合が多いと思われるメリットについてまとめました。
・防犯性
マンションには、防犯設備がそろっていることが多いです。管理人や警備員が常駐していたり、オートロックと防犯カメラが設置されていたりと、セキュリティが二重三重に施されています。中には、自分が住んでいるフロア以外にはエレベーターが停まらないマンションもあります。こうした防犯性は、複数の人が住む大規模な分譲マンションならではのものでしょう。
・駅近物件が多い
マンションは、戸建てに比べて駅から近い物件が圧倒的に多くなっています。駅直結で雨や雪の日でも濡れずに電車に乗れる物件もあり、利便性は高いといえるでしょう。
・日当たりや眺めがいい物件が多い
マンションの高層階には、見晴らしが良く、美しい景色が楽しめるメリットがあります。近隣で行われている花火大会なども、高層階の部屋からであれば存分に楽しむことができるでしょう。
日当たりも同様で、高層マンションでは、周囲の建物に邪魔されることなく日差しを感じられる可能性が高くなります。特に冬場は、日差しの温かさを感じながら暮らせることは、大きなメリットになるでしょう。
・設備が充実している物件が多い
分譲マンションの中には、遊びに来た友人や親戚が泊まることのできるゲストルームや、入居者が利用できるスポーツジムなどが用意されている物件があります。マンション内のコンシェルジュを通して、さまざまな生活サービスが提供される場合もあり、そういった設備があれば、便利に暮らすことができるでしょう。 また、分譲マンションには「宅配ボックス」が設置されていることがあります。日中働いていて荷物を受け取ることができない人にとって、宅配ボックスは非常に便利な設備です。
・室内がフラット
2階建て、3階建ての物件も多い戸建てとは異なり、分譲マンションは基本的にワンフロアです。室内もバリアフリーで、フラットな作りになっている物件が多いため、年齢を重ねた後もつまずきなどの不安がなく、安心して暮らせるでしょう。
・共用部の管理は管理会社が行う
マンションのエントランスや植栽部分、廊下など、共用部分の管理は、すべて管理会社が管理を行ってくれるため、清掃や電球の交換などを自分でする必要がありません。
室内の環境は自分で整えなければいけませんが、自宅に帰ってきたとき、清潔で明るいエントランスが出迎えてくれるのは快適なものです。
・修繕金などを自分で貯める必要がない
長く住んでいると、だんだんと家にも不具合が出てきます。分譲マンションの場合は、修繕を行う際の修繕金を毎月積み立てていくことになるため、原則として、修繕のタイミングで多額の現金が必要になることがありません。
戸建てのメリット
続いて、戸建てについても、メリットを見ていきましょう。
・建替えや修繕を自分の都合で行える
マンションの修繕や建替えは、一定以上の住人の同意がなければ行うことができません。一方、戸建ての場合は、修繕をするのも建替えをするのも自分の自由です。自分や家族の状況、家の状況、建替え費用など、自分の都合でタイミングを決めることができますので、面倒はありません。
・月々の支出を抑えられる
戸建てでは、管理や修繕にかかる費用は、自分の采配で用意することになります。そのため、決まった金額の管理費や修繕積立金を毎月支払わなければならないマンションに比べると、月々の支出を抑えることができるでしょう。
また、車を保有する場合は、マンションなら駐車場代が別途必要になりますが、戸建ては敷地内に駐車場を作っておけば、新たな費用が発生することはありません。
・家族のプライバシーが守られる
戸建てでは、基本的に1つの建物に1つの家族が住むことになります。壁や床を隔ててほかの家庭とつながっているということはありませんから、プライバシーを重視した暮らしを送れるでしょう。また、許可なく敷地内に他人が立ち入ることもありません。
・庭がある場合が多い
戸建てには、庭がある場合も多く、家庭菜園や花壇などを作成してガーデニングを楽しむことが可能です。樹木や芝を植えるなどして、グリーンのある暮らしを送ることができます。子供がいる場合は、庭に遊具を置いたり、子供用のプールを設置したりして遊ばせることもできるでしょう。
・階下や隣の部屋への音漏れを気にせずに暮らせる
戸建ては家自体が独立していますから、階下や隣の家への音漏れを心配しながら暮らす必要がありません。小さな子供の夜泣きや、走り回る音などはもちろん、入浴や洗濯、掃除などについても、戸建てであれば時間を気にせずに行うことができます。
・広い家が多い
マンションに比べて、戸建ては専有面積が広い傾向があります。物件によるため一概にはいえませんが、広々とした庭や家族一人ひとりの個室を希望している場合は、戸建てを選んだほうが条件に合致する物件を探しやすいでしょう。
マンションのデメリット
見晴らしの良さやセキュリティ、利便性といったメリットがある反面、マンションには無視できないデメリットもあります。どのような点が問題になるのか、見てみましょう。
・隣近所との騒音問題
マンションに住む際に、絶対に意識しておくべきなのが、隣近所との騒音問題です。自分自身が騒音の発生源になってしまうケースもあれば、周囲の騒音に悩まされるケースもあります。
分譲マンションでは、複数の人が集まって生活をするわけですから、ある程度の生活音が聞こえてくることを許容する必要があるでしょう。しかし、「うるさい」と感じる基準は人によってさまざまです。また、うるさいと思ったときに、どんな対処をするのかも、人によって違います。騒音が大きな問題になるかどうかは、「自分自身が騒音にどの程度敏感か」と、「隣や上下に住んでいる住民の騒音に関する考え方」によって異なるといえるでしょう。
・修繕積立金が不足していると一時金が発生することがある
マンションの修繕は、それまでに積み立てた修繕積立金を使って行われます。しかし、修繕積立金の額が修繕に必要な金額をカバーしきれるとは限りません。
修繕のタイミングで修繕積立金が不足した場合、区分所有者全員から一時金として不足分の金額を徴収する必要が出てきます。月々の積立をしていても、修繕時に別途費用を請求される可能性もあるのです。
・月々のコストが高額になりがち
住宅ローンを組んで分譲マンションを買った場合、「月々の返済額は◯円です」といった案内をされるでしょう。しかし、実際にかかるコストは、住宅ローンの返済額だけではありません。管理費、修繕積立金、駐車場代金なども支払う必要があります。
修繕積立金や管理費は、ローンの返済が終わった後も、分譲マンションを保有する限り発生することになります。
戸建てのデメリット
マンションと同様に、戸建てにもデメリットがあります。注意しておきたい2つの点をご紹介します。
・自分自身で修繕を行わなければいけない
戸建てでは、修繕を自分自身で計画し、行うことになります。費用についても、修繕のタイミングまでに自分で用意しておかなければならないため、購入の際にあらかじめ修繕を視野に入れた資金計画を立てておく必要があるでしょう。
・駅近物件はマンションよりも高額
戸建ての場合、マンションのように駅直結の物件はまずありません。特に首都圏であれば、駅から近い土地は高額で、個人で購入するのは難しいでしょう。必然的にバスを使わなければいけない物件や、徒歩10分以上の物件など、駅から離れた地域に建てられているケースが多くなります。
戸建ての中にも、駅徒歩5分程度の物件がないわけではありませんが、同じ駅徒歩5分であっても、マンションと戸建てでは金額が大きく異なります。そもそもの物件自体が少なく、さらに高額であるため、駅から近い物件を戸建てで探すことは困難でしょう。利便性においては、何かしらの妥協をする必要が出てきます。
マンションと戸建ての資産価値の推移
不動産の資産価値は、その時々の景気によっても変わってきます。しかし、一般的に、マンションも戸建ても、新築の資産価値が最も高いとされています。
マンションの場合、多くは建設から年数が経つにつれて、緩やかに資産価値が低下していきます。築年数が上がれば上がるほど価値は下がりますが、急激に下がるというわけではないため、よほど条件の悪い物件でなければ、住み替えも十分可能です。
一方の戸建ては、建物自体の価値は新築後、急激に下落してしまいます。築年数が長い戸建ての場合、問題なく住み続けられる状態であったとしても、売却時の価値は「ゼロ」ということも少なくありません。しかし、土地の価値は購入時と変わらず残り続けます(ただし、景気によって地価そのものは変動します)。
マンションにも戸建てにもそれぞれのメリットとデメリットがある
マンションと戸建てには、それぞれ異なるメリットとデメリットがあり、「どちらを買えば正解」ということはありません。毎日の生活を送る上で何を重視するかは、家族の考え方によって異なるでしょう。
家族全員の意見や希望を出し合って、各家庭に合った住まいを選ぶことが大切です。
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