分譲マンションを購入する際、マンションの価格だけを意識していると、思わぬ出費に驚くはめになりかねません。マンションを購入したときは、仲介手数料を始めとするさまざまな諸費用がかかることになります。
ここでは、「マンションを購入したときの税金」に焦点をあてて、どのような税金が必要になるのかをご説明します。また、こうした税金には優遇制度も用意されています。正しい知識を身に付けて、必要な金額を把握しておきましょう。
マンションを買ったら税金がかかる?購入時にかかる税金と優遇制度
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
マンション購入時にかかる税金
マンションを購入したときにかかる税金は、購入時にかかる税金と、購入後にかかる税金に分けられます。まずは、マンション購入時にかかる4つの税金を見ていきます。
消費税
「不動産に消費税はかからない」といわれることもありますが、実際には新築マンションを購入した場合、消費税がかかります。ただし、「土地」と「個人から購入する物件」には、消費税はかかりません。
とはいえ、分譲マンションの物件価格は、最初から消費税を含めた金額で表示することが一般的です。そのため、「2,800万円として売り出されている分譲マンションを買った場合、これ以外に消費税が加算された」ということは基本的にないと思っていいでしょう。
印紙税
契約書や領収書には、取引金額に応じた金額の印紙を購入し、貼付する必要があります。これが、印紙税と呼ばれるものです。
分譲マンションを購入するときも、物件の「売買契約書」や、住宅ローン契約を結ぶときの「金銭消費貸借契約書」を作成する必要があります。しかし、これらの契約書自体を購入者が作るわけではありません。契約書は、不動産会社や銀行が作成し、購入者が内容を確認することが一般的です。
そのため、印紙も分譲マンションの購入者が用意するのではなく、あらかじめ契約書の作成者が用意しておき、契約時にその金額を合わせて支払うことが一般的です。
なお、物件の代金について領収書が発行される場合は、そこにも印紙を貼ることになります。これについては、領収書を発行した側が負担します。
不動産取得税
不動産を取得したときには、不動産取得税がかかります。購入した場合だけでなく、無償で不動産を贈与された場合でも、不動産を新たに取得したのであれば、不動産取得税がかかることになります。ただし、不動産を相続した場合は、不動産取得税はかかりません。
登録免許税
分譲マンションを取得した場合は、所有権を示すため、不動産登記をする必要があります。また、購入時に住宅ローンを組むのであれば、分譲マンションに住宅ローンの抵当権も設定しなければいけません。
分譲マンション購入時に関係する登記には、次の4種類があります。
・建物表題登記
建物表題登記は、建物が完成したとき最初に行う登記です。これは、不動産会社が土地家屋調査士に依頼し、すべての部屋について一括で行うため、分譲マンションの購入者が行うことはないでしょう。
・所有権保存登記
表題部にしか登記がない不動産について、最初にする所有権の登記が所有権保存登記です。
・所有権移転登記
不動産の所有権が、売買や贈与などで現在の持ち主から別の人物に移転するときに、所有権移転登記を行います。
・抵当権設定登記
抵当権設定登記は、購入した分譲マンションを担保にして住宅ローンを組むときに行います。
これらの登記を行うために必要な税金が、登録免許税です。分譲マンションを購入したときの登記や住宅ローンを組むときの登記は、個人で行うのではなく、行政書士などに依頼するのが一般的です。そのため、登録免許税も、行政書士への報酬と合わせて支払うケースが多いでしょう。
マンションを購入したことで新たにかかる税金
マンションを所有することで、その後、継続的に発生する税金があります。それが、固定資産税と都市計画税です。ただし、都市計画税は、所有している物件が市街化区域にある場合のみ課税されます。
この2つの税金は、不動産を所有している限り納付しなくてはならないものです。毎年のことですから、あらかじめ支出を考慮しておきましょう。
税金の計算方法と軽減措置
マンションを購入する際にかかるそれぞれの税金について、計算方法と2019年6月現在における、軽減措置についてご紹介します。
消費税
消費税は、基本的に表示物件価格に含まれているため、特別意識する必要はありません。ただし、仲介手数料や不動産登記を依頼した司法書士などに支払う報酬には、別途消費税がかかります。消費税の税率は、2019年6月現在8%です。
印紙税
売買契約書に必要な印紙税の金額は、契約金額によって異なります。「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」により、2020年3月31日までの印紙税は下記のとおりです。
<不動産売買契約書の印紙税の軽減措置が適用された印紙税額>
・100万円超~500万円以内 1,000円
・500万円超~1,000万円以内 5,000円
・1,000万円超~5,000万円以内 10,000円
・5,000万円超~1億円以内 30,000円
・1億円超~5億円以内 60,000円
また、住宅ローンを締結する際に必要な「金銭消費貸借契約書」に必要な印紙税には、軽減措置がありません。必要な印紙税は下記のとおりです。
<金銭消費貸借契約書に貼付する印紙税額>
・100万円超~500万円以内 2,000円
・500万円超~1,000万円以内 10,000円
・1,000万円超~5,000万円以内 20,000円
・5,000万円超~1億円以内 60,000円
・1億円超~5億円以内 10万円
登録免許税
登録免許税の計算方法は下記のとおりです。
<登録免許税の計算式>
所有権保存登記 固定資産税評価額×0.4%
所有権移転登記 固定資産税評価額×1.5%(土地)
固定資産税評価額×2%(建物)
抵当権設定に関する登記 住宅ローンの借入額×0.4%
ただし、2020年3月31日までは、下記の軽減税率が適用されます。なお、土地の所有権移転登記に限っては、2021年3月31日まで軽減税率を適用することができます。
<軽減税率が適用された登録免許税の計算式>
所有権保存登記 固定資産税評価額×0.15%
所有権移転登記 固定資産税評価額×1.5%(土地)
固定資産税評価額×0.3%(建物)
抵当権設定に関する登記 住宅ローンの借入額×0.1%
不動産取得税
不動産取得税は原則として税率4%ですが、2021年3月31日までは特例として3%となります。
また、不動産取得税には、各種条件を満たすことで得られる軽減措置が複数用意されています。例えば、床面積が50平方メートル以上の新築分譲マンションを購入した場合、建物の不動産取得税について、固定資産税評価額から1,200万円を控除した金額に税率を掛けて算出できます。
土地については、2021年3月31日まで、計算の元となる固定資産税評価額を半分にすることができます。さらに、「45,000円」または「土地1平方メートルあたりの価格×住宅の床面積の2倍(上限200平方メートル)×税率(3%)」のいずれか高い金額を、税額から控除できます。
新築で自分が住むための分譲マンションを購入した場合、ほとんどの人が軽減措置の対象になりますから、大幅に税金を圧縮することができるでしょう。
<特例が適用された不動産取得税の計算方法>
住宅=(固定資産税評価額-1,200万円)×3%
土地=(固定資産税評価額×1/2×3%)-控除額(45,000円もしくは土地1平方メートルあたりの価格×住宅の床面積の2倍(上限200平方メートル)×税率(3%))
固定資産税
固定資産税の計算方法は、下記のようになります。
固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)
※標準税率は、各自治体によって異なる場合がある。
・土地
200平方メートル以下の土地は、固定資産税評価額を6分の1にして計算。200平方メートル超の土地は3分の1にして計算。
・建物
2020年3月31日までに新築された場合、新築後5年間、120平方メートルまでの部分について固定資産税評価額を2分の1にして計算。
・都市計画税
都市計画税の計算方法は、公示地価の7割を目安に決められる固定資産税評価額×0.3%(上限の税率。各自治体によって異なる場合がある)となります。
都市計画税も、土地については200平方メートル以下の土地は固定資産税評価額を3分の1にして計算、200平方メートル超の土地は3分の2にして計算するという軽減措置があります。なお、建物の軽減措置はありません。
分譲マンション購入時にはさまざまな税金がかかる
分譲マンションを買うときに必要となるのは、マンションの購入費用だけではありません。仲介手数料や登記費用に加えて、さまざまな税金も発生します。
思わぬところで資金不足を起こさないためにも、あらかじめどのような税金がかかるのかを知って準備しておきましょう。
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