マンションの購入計画を立てるときは、「どの地域にしよう」「どのくらいの広さがいいかな」「キッチンには最新設備を入れたい」など、さまざまな夢を膨らませる方も多いでしょう。しかし、実際の購入となると、希望と予算の兼ね合いが重要です。マンション購入の予算は「年収の5倍が目安」といわれることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
ここでは、年収を基にマンションの購入価格を決める際のステップについて見ていきましょう。
いくらのマンションなら無理なく買える?年収から考える予算の目安
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
マンションの購入価格の目安は「年収の5倍」って本当?
マンションの購入価格の目安として、「年収の5倍」といわれることがあります。しかし、同じ年収400万円の方であっても、頭金が0円の方と1,000万円の方では、実際に購入できるマンションの金額は大きく異なります。
同様に、年収400万円の一人暮らしの方と、年収400万円で専業主婦の配偶者と子供が2人いる方と、年収200万円同士で結婚して世帯年収が400万円の世帯では、それぞれ条件が変わってきます。さらに、年収300万円の方と年収600万円の方では、同じく年収の5倍のマンションを、住宅ローンを組んで購入したとしても、返済の負担具合は異なるでしょう。
厚生労働省の「平成30年国民生活基礎調査」によると、東京23区内のマンションの平均価格は6,004万円となっていますが、東京都が含まれるエリアの平均所得額は619万5,000円で、「年収の5倍」にはまったく合致しない数値となっています。
このように、マンションの購入価格は、一概に年収の5倍までにしなければいけないわけではないのです。
マンション購入価格を返済負担率で考える
マンションを購入するときに重視しなければならないのは、「住宅ローンをいくら借りるか」ということです。月々どのくらいなら、負担なく返済できるかを考えなければなりません。そのためにはまず、マンションの購入予算を「頭金」と「住宅ローン」に分けて考えましょう。
頭金は、元々住宅購入のために貯蓄しておいたり贈与を受けたりして用意するものです。近年は頭金なしでも住宅ローンを組めることが多くなっていますが、頭金の有無や金額で、月々の返済額は変化します。貯蓄のうち、生活の予備費を残した上でどのくらい頭金を用意するか、よく考えて決めてください。
住宅ローンを借りるときによく聞くのが、「月々の家賃よりも返済額のほうが安い」ということです。しかし、実際にマンションを購入すると、返済のほかに管理費や修繕積立金が必要になります。賃貸とは違い、返済が負担になったからといって、気軽に安いマンションに住み替えることもできません。
返済負担率は25%がおすすめ
月々の住宅ローン返済を無理ない金額にするためには、「返済負担額を収入の25%以下に抑える」のがおすすめです。例えば、年収が600万円の方の場合、返済負担額の目安は次のようになります。
<年収600万円の方の毎月の返済額(返済負担率25%)>
600万円×25%=150万円
150万円÷12ヵ月=12万5,000円(1ヵ月の返済額の上限)
自動車ローンや教育ローンなど、住宅ローン以外のローンを組んでいる場合は、合算して考える必要があります。すべてのローン返済額の合計が、年収の25%以内に収められるかどうかを、マンション購入予算のひとつの目安にしましょう。
なお、金融機関では、およそ25~35%の返済負担率を、住宅ローン審査の際の目安にしています。フラット35の場合は、年収が400万円未満30%、400万円以上35%が基準となっています。
そのため、返済負担率が25%を超えていても、住宅ローンやフラット35の審査に通ることはあります。ただし、「審査に通ったから問題ない」と考えるのではなく、無理なく返済できる金額であるかどうか、じっくり考える必要があるでしょう。
年収600万円の場合の返済負担額をシミュレーション
年収600万円の場合を例に、返済負担額について詳しくシミュレーションしてみましょう。
<35年ローンでボーナス月の増額なし>
借入上限額:4,800万円
毎月の返済額:12万4,599円
年間返済額:149万5,188円
※金利0.5%、元利均等返済で計算
年間の返済額を150万円に収めようとした場合の借入上限額は、およそ4,800万円となりました。この場合の月々の返済額は、12万4,599円です。今住んでいる賃貸マンションの家賃と住宅購入のために毎月行っている貯金の合計が、月々の住宅ローン返済額に管理費や修繕積立金、固定資産税を足した金額よりも低くなるようであれば、問題ないといえるでしょう。
一方、同じ年収600万円でも、普段の生活費にお金がかかっていて、家賃にはあまりお金をかけていないという方もいるでしょう。そのような場合は、借入額を減らしたり、ボーナス返済を利用したりする必要が出てきます。ただし、ボーナスは住宅ローンを返済しているあいだ、必ず出るとは限りません。ボーナス返済の利用には、十分な注意が必要です。
さらに、金利が上昇する可能性もあります。近年、住宅ローンの変動金利は低い水準をキープしていますが、今後上がらないとも限りません。このシミュレーションでは金利0.5%で計算していますが、20~30年前は2~6%程度が当たり前でした。
現在でも、固定金利を希望する場合や、借り入れる金融機関によっては、金利が1.0%を超えることもありうるでしょう。その際は、借入額の目安となる上限も、上記のシミュレーションより低くなります。
借入額は、現在の年収とこれからの年収、これまでの生活費とこれからかかると見込まれる生活費、金利の状況を考えて決めましょう。
住宅ローンを組む際に注意すべきこと
住宅ローンは「払うのがつらい」「やめたい」と思っても、簡単になかったことにはできません。何十年もかけて返済することが珍しくない大きな支出ですから、住宅ローンを組む前に資金計画をしっかり立てておきましょう。
ここでは、住宅ローンを組むときに考えておいたほうがいいポイントについてご説明します。
住宅ローン以外の生活費
住宅ローンは長い期間をかけて返済するものですから、そのあいだには家族の状況にも変化があるでしょう。大きな出費が見込まれる変化には、次のようなことが挙げられます。
<出費が見込まれる家族の変化>
・子供が生まれた
・子供の進学
・家族の病気
・家族の介護
・失業
・転職
さまざまな変化が起こったときにも、滞りなく住宅ローンを返済していくためには、ある程度の余裕を持っておくことが重要です。子供がいる家庭や子供を希望している家庭は、あらかじめ住宅購入資金とは別に教育費を貯めておく必要があるでしょう。
また、病気や介護といった不測の事態が起こる可能性もあります。そういったことに備えるためにも、住宅ローンの返済比率を上げ過ぎないことが大切です。
金利上昇の可能性
年収600万円の方が、元利均等返済、金利0.5%で4,800万円の35年ローンを組んだ場合、毎月の返済負担額は12万4,599円でした。この金利が、10年後に2.0%に上昇した場合、月の返済額は14万8,904円となり、年間の返済額は178万6,848円となります。 月々の返済額が25,000円近く増えてしまうため、家計の負担は大きくなるでしょう。
さらに、変動金利の場合、「金利が変わっても返済額は5年間変わらない」「金利がどのくらい上がっても返済額の負担増は5年ごとに125%まで」というルールがあります。そのため、大幅に金利が上がった場合、返済を続けても利息が減るばかりで、元金がなかなか減らないという事態になりかねません。
金利が低いからと安易に変動金利を利用するのではなく、「10年後に子供が大学を卒業するため、10年固定にしてそれまでの家計を安定させる」「共働きで子供がいない今は変動金利で借りてどんどん繰り上げ返済をする」など、家族のライフプランに合わせた住宅ローンの選択をすることが大切です。
ローン完済時の年齢
住宅ローンは、多くの金融機関で最長35年まで借りることができます。しかし、ローン完済時に70歳を超えるといった場合、それまでと同じ水準の収入をキープし続けられる可能性は低いでしょう。
かといって、退職金を住宅ローンの返済にあてた場合、老後資金が不足するおそれがあります。
住宅ローンを組むときは、月々の返済負担額とともに、返済期間中に滞りなく住宅ローンを払い続けられるかということも考えておく必要があります。
マンション購入費用の目安は年収だけでは判断できない
いくらのマンションが買えるかは、頭金の比率や家庭の現在の状況、将来のライフプラン、住宅ローン金利などによって大きく変わります。
一概に「年収○○万円ならいくらのマンションが買える」と判断することはできません。それぞれの家庭に合った購入金額の目安を計算し、無理のない資金計画を立てるようにしましょう。
注目のエリア
※実際の流通価格を保証するものではありません。予めご了承ください。
人気の記事
- マンションバリューマガジン編集部
PICKUP
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー