人生において一、二を争う高額な買い物になる住宅購入には、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)や住宅取得等資金贈与の非課税特例など、さまざまな税制優遇制度が用意されています。このような制度をしっかり利用することで、マンション購入の負担を軽減させることが可能です。
今回は、それら制度の中のひとつである、「すまい給付金」についてまとめました。
すまい給付金のシミュレーション結果の例
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
すまい給付金とは?
すまい給付金は、2014年に消費税が5%から8%に増税されたタイミングで新たに作られた給付金です。一定の条件を満たす住宅を購入した人に対して現金が給付され、今のところ、2021年12月まで実施されることが決まっています。
マンションは、消費税がかかる買い物の中でも、非常に高額なものです。そのため、増税による負担を軽減させるために、すまい給付金制度が作られました。2019年10月の消費税増税のタイミングでも、給付金の額と給付範囲が広げられています。
すまい給付金の対象は?
すまい給付金を受け取れるのは、「住宅の要件」を満たす住宅を購入した、「購入者の要件」にあてはまる人です。それぞれどのような要件があるのか見ていきましょう。
住宅の要件
住宅の要件は、新築か中古か、住宅ローンの利用があるかないか(新築住宅の場合のみ)によって異なり、条件のすべてに該当する必要があります。条件は下記のとおりです。
<新築住宅の場合>
・8%もしくは10%の消費税がかかっている
・床面積が50平方メートル以上
・工事中に、第三者機関から住宅性能について一定の評価を受けている(「住宅瑕疵担保責任保険に加入している」「住宅性能表示を利用している」)
・(住宅ローンを組まない場合のみ)フラット35Sと同等の基準を満たす(「耐震性」「省エネルギー性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」の4つのいずれかについて、優れた住宅であること)
<中古住宅の場合>
・8%もしくは10%の消費税がかかっている
・床面積が50平方メートル以上
・売買時等の検査で、第三者機関から住宅性能について一定の評価を受けている(「既存住宅売買瑕疵保険に加入している」「既存住宅性能表示制度の耐震等級1以上」「(建築後10年以内の場合のみ)住宅瑕疵担保責任保険に加入しているか建設住宅性能表示を利用している」のいずれかを満たす)
購入者の要件
購入者の要件は、下記の4点です。すべてに該当する必要があります。
・不動産登記上の持ち分保持者である
・購入した住宅に住んでいる(住民票で居住が確認できる)
・返済期間5年以上の住宅ローンを組んでいるか、組んでいない場合は年収が650万円以下で、引き渡しされた年の12月31日時点で年齢が50歳以上であること
・年収が一定以下(具体的な金額は扶養家族の人数や住宅ローンの有無等によって異なる)
すまい給付金の申請方法
すまい給付金は、新居入居後に申請を行います。引き渡しから1年以内に申請を行いましょう。
申請方法は、すまい給付金事務局への書類送付か、すまい給付金申請窓口への書類の持ち込みです。申請用紙はすまい給付金サポートセンターで入手するか、ウェブサイトでダウンロードします。
なお、ウェブサイトからの申し込みはできませんが、「すまい給付金」のウェブサイトで申請書類を作成することはできます。入力後、そのまま申請書類を出力できるので便利です。
すまい給付金の申請に必要な書類
すまい給付金の申請には、申請用紙のほかにもさまざまな書類が必要です。
<すまい給付金申請に必要な書類>
・すまい給付金申請書(ウェブサイトからダウンロード可能)
・住民票の写し
・住民税の課税証明書、もしくは非課税証明書
・建物の登記事項証明書・謄本
・工事請負契約書か不動産売買契約書のコピー
・給付金の振込先口座番号がわかるもの(通帳のコピー等)
・売買時に第三者機関の検査を受けていると証明できるもの(「住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書(新築)」「既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書(中古)」など)
・中古住宅販売証明書(中古の場合)
・住宅ローン金銭消費貸借契約書のコピー(住宅ローンを組んでいる場合)
・フラット35Sの基準に適合していることがわかる書類(住宅ローンを利用せずに新築住宅を買った場合)
すまい給付金でいくらもらえる?
すまい給付金の給付額は、給付基礎額と住宅の持ち分割合で決まり、給付基礎額は年収(都道府県民税の所得割額)や扶養家族の人数、住宅ローンの有無によって決まります。なお、購入する家の金額や住宅ローンの金額によって、給付額が左右されることはありません。
具体的にすまい給付金をいくらもらえるかについては、「すまい給付金シミュレーション」で調べることができます。
2019年10月以降にマンションを購入した場合を例に、年収や扶養家族の人数別にシミュレーションした結果を見てみましょう。
なお、夫婦共有名義のマンションなど、複数人で不動産を購入する場合は、それぞれの年収と扶養親族、住宅ローンの有無から割り出される給付額に、住宅の持ち分を掛けた金額が双方に給付されます。
例えば、年収600万円と年収300万円の夫婦(扶養親族なし)がマンションを購入した場合について考えてみましょう。
年収600万円の人が1人で住宅ローンを組んで購入した場合、すまい給付金は20万円です。これを50/100の共有持ち分とした場合、すまい給付金の額は半分の10万円になります。一方、年収300万円の配偶者は50万円の半額である25万円のすまい給付金を受け取れます。よって、夫婦が受け取れるすまい給付金の合計額は35万円となります。
年収600万円の人が1人でマンションを購入する場合の給付金は20万円ですから、共有名義にすることで、15万円も多く給付金を受け取ることができます。ただし、住宅ローン減税も2人で受けることになるため、税率が高い側から全額を控除することはできなくなります。
自分たち家族にとって一番メリットが大きいのはどのような買い方なのか、しっかり考えた上で選択しましょう。
すまい給付金は自分で手続きをする必要がある
すまい給付金をもらうためには、自分自身で手続きをしなければいけません。要件や必要書類などで、耳慣れない言葉もあるかもしれませんが、住宅ローンを組んでマンションを購入する場合は、多くの場合ですまい給付金の対象になります。しっかり確認して、申請するようにしましょう。
自分が購入予定のマンションが要件を満たすかどうかわからないときは、不動産会社に問い合わせてみてください。
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