マンションのリフォームをしたい!間取りの変更もできるの?

2020年05月24日
マンションバリューマガジン編集部
株式会社マーキュリー

マンションに長く住み続けているうち、古くなったキッチンなどの水回りや壁などの落ちない汚れが気になって、リフォームを検討される方もいるでしょう。さらに、間取りが家族構成と合わなくなってくることもあると思います。そのようなときは、間取り変更を含んだリフォームを検討することになるでしょう。
ところが、マンションの間取り変更はできる場合とできない場合があります。ここでは、マンションのリフォーム事情についてまとめました。

目次

マンションのリフォームではどこまで変更できる?

個人が好きに建て替えやリフォームを行える戸建てとは異なり、マンションは共同住宅になりますから、リフォームをする際も一定の制限を受けることになります。

共有部分はリフォームできない

マンションには、持ち主の自由にできる専有部分と、マンションの名義人全員で共有している共有部分があります。共有部分のリフォームはマンション全体で行うものですから、個人が自由に変更を加えることはできません。
マンションの共有部分には、エントランスや廊下のほか、窓ガラスやバルコニー、玄関ドア、インターホンなども含まれます。これらは専有部分と間違えやすい場所ですから、うっかりリフォームしてしまうことがないように気を付けましょう。

リフォームのしやすさは構造によって異なる

リフォームのしやすさや、どのようなリフォームができるのかは、マンションの造りによっても異なります。

・マンションの構造

マンションの構造は、柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」と、床板と壁で建物を支える「壁式構造」に分けられます。ラーメン構造は主に中層~高層のマンションで利用されている構造で、壁式構造は主に4階程度の低層マンションで利用されます。

ラーメン構造の場合は、壁を壊すことができるため、間取りの変更も問題なく行えます。反面、梁や柱が部屋の中に出ている場合が多く、クロスや床のリフォームを行う場合に難度が上がります。
壁式構造では、建物を壁で支えていることから、安易に壁を壊して間取り変更をすることができません。壁は残したまま空間を広く見せたり、連続性を持たせるデザインにしたりすることで、間取り変更に近い効果を得られるようなリフォームプランを立てましょう。

・床下の構造

床下の構造が二重床仕上げであれば、給排水管の移動をさせることができます。しかし、床が二重になっていない直床仕上げの場合は、給排水管の移動に制限があります。直床仕上げの場合は、水回りの移動などができないこともあります。

・電気容量

電気容量についても注意が必要です。これまでに設置していなかった床暖房やIHを導入したい場合は、電気を大量に使うことになるため、電気容量を上げるための申請が必要です。古いマンションの場合、マンション全体の電気容量が少なく、このような電気設備の導入ができない可能性もあります。

マンション管理規約による制限がある

マンションには、それぞれ管理規約が定められています。この管理規約には、各住戸のリフォームに関する規定も記されています。マンションのリフォームをするときは、専有部でも管理組合に工事申請をしなければなりません。申請の方法や時期についても管理規約に書かれていますから、併せて確認しておきましょう。

また、具体的な規約の内容はマンションによって異なりますが、床材の遮音性についての指定や工事日程、工事時間などについての制限などが記されている場合が多いでしょう。周りの住民とトラブルを起こさずに住み続けるためにも、管理規約に則った工事を行う必要があります。たとえ専有部分でも、共有住宅の一部である以上、好き勝手に工事をするわけにはいかないということです。

マンションの間取り変更をするときの注意点

マンションの間取り変更といった大掛かりなリフォームをするときは、後悔がないように慎重に手続きを進めましょう。特にトラブルが起こりやすい点について、注意すべきポイントをまとめました。

・リフォーム会社

信頼できる業者と出会えるかどうかは、リフォームの成功を左右する非常に重要なポイントです。費用面や希望に合ったデザインを提案してくれるかどうかのほか、きめ細やかな対応、わかりやすい説明があるかといった担当者との相性も大切です。

・予算

リフォームのプランを相談しているうちに、「あれもしたい」「これもいい」と希望が膨らみ、当初の予定よりも予算がオーバーしてしまうのは、よくあることです。このようなことにならないために、あらかじめ「これ以上は絶対に超えてはいけない」という上限を決めておきましょう。

・リフォーム中の住まい

間取り変更を伴うような大規模なリフォームをする場合は、住みながらリフォームを行うことは難しいと考えておきましょう。そのため、リフォーム中の仮住まいを探す必要があります。工事期間がどのくらいかかるのかを確認した上で、ホテルや短期賃貸マンションなどの滞在先を探しておきましょう。

・近隣住民への連絡

マンションでリフォーム工事を行う場合、騒音が発生しますし、業者の出入りなどがあるため、近隣住民に連絡をしておかなければいけません。基本的に近隣への連絡はリフォーム会社が行いますが、本人が同行するとより丁寧です。時間が合うようであればいっしょに挨拶をしましょう。

マンションの間取り変更をしたくなったら

最後に、マンションの間取りを変更したくなったときに、どこから始めるべきなのかをまとめました。3つのステップで、リフォーム手続きを進めましょう。

1. やりたいことと予算を家族で相談

マンションのリフォームは、住む人全員の同意なしに進めることはできません。まずは、各人の希望を出し合ってみましょう。

具体的なリフォームプランは、家の構造や管理規約によって実現可能かどうかが左右されるため、まずは「こういう風にしたい」という希望だけを出し合っておくのがおすすめです。例えば、「リビングを広くしたい」「トイレを温水洗浄便座にしたい」「キッチンを入れ替えたい」「アクセントクロスを張りたい」などです。

次に、希望と合わせて、予算をいくらまでにするのかを検討します。リフォームの予算は、リフォームローンを利用するのかどうかや、貯金の額などによって左右されます。どのくらい使うつもりなのか、家族で認識をすり合わせておく必要があるでしょう。

2. 家の広さや管理規約、構造等を確認

リフォームプランを立てるときに並行することになると思いますが、リフォーム会社に実際に相談をする前に、自分の家の広さや管理規約、マンションの構造などを確認しておきましょう。マンションについての情報は、マンションを購入した際のパンフレットや管理組合が保管している図面などを見るとわかります。

このような確認は、リフォーム会社に相談をした後で行うこともできます。しかし、リフォーム会社に正確な情報を渡すことができれば、最初から正確性の高いプランや見積もりを出してもらうことができます。事前に集められる情報は、集めた上で相談をしたほうが、話がスムーズに進みやすくなります。

3. リフォーム会社に相談

リフォーム会社を探して、リフォームの相談を行います。
得意なリフォーム内容や設計のセンスは、リフォーム会社によって異なります。マンションの構造上、間取り変更ができないといった場合でも、こちらの希望を叶えられる別のプランを提示してくれるリフォーム会社があるかもしれません。
他社で「できない」と言われたり、納得のいくプランが提示されなかったりしても、別の会社で満足のいく方法を提示してもらえる可能性もありますから、複数の会社に相談してみることをおすすめします。

金額についても、リフォーム会社によって大きく変わることは珍しくありません。とはいえ、安易に安い会社を選んでしまうと、必要な金額が見積もりに含まれておらず追加請求されたり、品質が良くない部材を使われ、仕上がりに影響を及ぼしたりといったトラブルが起こる可能性があります。複数の見積もりを取ったら、内容を見比べて不審な点がないかチェックしてみましょう。

マンションの構造によってはリフォームでの間取り変更も可能

間取り変更を伴う大掛かりなリフォームも、マンションの構造によっては行うことが可能です。
自宅マンションに住みづらさを感じたら、思い切ったリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。間取りが変更できない場合でも、デザインを調整したり生活動線を見直したりすることで、大きくイメージを変えることができます。住み慣れたマンションをより快適な住まいにするためのリフォームを目指しましょう。

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