不動産は、現金や株式などと同じ、個人が保有する資産のひとつです。しかし、不動産は現在の価値を調べるのが困難なため、自分の保有資産でありながら、価値を正確に理解できないことがあります。保有資産の価値を正しく理解するために、目安を調べられるようにしておきましょう。
ここでは、マンションの土地の価値を知るために役立つ路線価と公示価格のほか、マンションの総合的な価値を調べる方法についてご説明します。
路線価と公示価格で何がわかる？知っておきたい保有マンションの価値
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
公示価格とは？
公示価格とは、適正価格の土地取引を行う際の目安として、国が毎年3月下旬に出す指針です。地価公示法にもとづき、国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点の標準地の、1平方メートルあたりの価格を公示しています。公示価格は正常価格とも呼ばれ、地方公共団体や民間企業などの土地取引の基準にもなります。
なお、公示価格は、国土交通省のウェブサイトで調べることが可能です。調べたい土地から最も近い部分の価格を見ることで、おおよその土地の価格を知ることができるでしょう。
路線価とは？
路線価は、路線（道路）に面した標準的な宅地1平方メートルあたりの価格を1,000円単位で表しており、固定資産税や相続税など、不動産に関する税金を決める際の基準となる地価です。
路線価には複数あり、国税庁が相続税や贈与税の算出のために公表している路線価を「相続税路線価」、市町村（東京都の場合は都）が固定資産税や不動産取得税などを算出するために公表している路線価を「固定資産税路線価」と呼びます。路線価は、公示価格の約8割の価格になっています。
マンションと公示価格や路線価は関係ある？
一戸建てに住んでいる人に比べて、マンションに住んでいる人は、自分が「土地を持っている」とは認識していないかもしれません。マンションの場合、自分だけの庭などを持っている場合が少なく、「土地を保有している」意識を持ちづらいからです。
マンションを持っている人は、専有部分の床面積の割合に応じてマンションの敷地権を保有しています。敷地権は、建物とバラバラに売買することはできず、マンション全体の敷地のうち、専有面積に応じた持ち分ですから、実質、土地を保有しているのと変わりません。そのため、マンションに住んでいる人も、建物だけでなく土地にかかる固定資産税を支払うことになります。
マンションの価値は、「マンションが立っている土地の価値＋マンションそのものの価値」で決まります。
マンションの価値を知る際、土地を建物と分けて売却することはできないため、あまり意味がないと感じる人もいるかもしれません。しかし、公示価格や路線価を見ることで、自宅マンションが立っている土地にどのくらいの価値があるのかを知ることが可能です。
極端な例ですが、土地の価値が高い場所と低い場所に、まったく同じマンションが立っている場合は、当然、土地の価値が高い場所のマンションのほうが、マンションの価値も高くなります。
マンションに住んでいるからといって、「土地の価格は自分には関係ない」と思わず、どのくらいの資産価値があるのか意識しておきましょう。
マンションの価値を知る必要性はどこにある？
自分が住んでいるマンションに十分満足していて、今後も住み続けるのであれば、マンションの価値が高くても低くても、それほど気にならないかもしれません。その場合、公示価格や路線価も気にならないでしょう。
しかし現状、売却や住み替えを検討していない人でも、自分のマンションの価値については、ある程度意識しておくことをおすすめします。その理由についてご説明します。
固定資産税に関わってくる
マンションの価値は、固定資産税の額に関わってきます。固定資産税を計算するときに利用される評価額と実際のマンションの価格は別ですが、やはり、価値が高いマンションは固定資産税も高くなる傾向があります。
老後資金として活用する場合がある
今は売却する意思がないとしても、将来的に保有しているマンションを売却して老後資金の一部にする可能性もあります。
将来の年金や老後資金に関する問題は、ニュースでも盛んに取り沙汰されています。老後の資金計画を立てる際に、マンションを含めた保有資産の合計額がどのくらいあるのかを知っておくことは大いに役立ちます。売却した場合に得られる金額や、賃貸に出した場合の相場などを理解し、老後資金のシミュレーションを行いましょう。
相続財産になる
人の命には限りがありますから、保有しているマンションも、いつかは相続人の手に渡ることになります。このとき、価値の低いマンションを遺すと、売却できずに維持費ばかりがかかって、相続人の負担になってしまうことがあります。
このような事態を起こさないためには、早い段階からマンションの価値を知り、相続人となる家族と話し合っておく必要があるでしょう。
また、複数の相続人がいて、マンション以外の財産がほとんどない場合も、相続財産をスムーズに分割できずにもめてしまう可能性があります。トラブルが見込まれる場合は、事前に現金化しておくなどの対処が必要になるかもしれません。
マンションの総合的な価値を知る3つの方法
公示価格や路線価を知ることで、マンションの土地の価値の目安を知ることができますが、マンションの価値は、あくまでも土地と建物の合計で決まります。
マンションの総合的な価値を知る方法はいくつかありますが、ここでは、おすすめの3つの方法をご紹介します。
1 近隣の類似物件の価格を調査する
一番手軽にマンションの総合的な価値を知る方法が、近隣マンションの売り出し物件の価格を調べることです。同じマンション内で売りに出ている部屋があれば、より正確な価値を知りやすいでしょう。ただし、長いあいだ売れ残っている物件の場合は、価格が適正でないことがあるので注意してください。
2 不動産屋に見積もりを依頼する
不動産売却のプロに見積もりを依頼すると、正確性の高い金額を教えてもらうことができます。ただし、中古マンションが売れるかどうかは、実際に売りに出してみないとわからない部分もあるため、確実にその値段で売れるというわけではありません。
また、見積もりを依頼することで、その後に営業の電話などがかかってきてしまう可能性もあります。
3 マンションバリューを利用する
マンションバリューでは、20年間蓄積してきた膨大なデータから、マンションを資産性・立地・建物の観点で評価した「マンションスコア」を見ることができます。現在お住まいのマンションの価値や騰落率（新築販売時点からの価格の推移）なども調べられるため、マンションの総合的な価値がわかるでしょう。
また、物件を賃貸に出した場合や売却した場合の資産推移といったシミュレーションも行えます。
公示価格や路線価などを活用してマンションの価値を見極めよう
自分が住んでいるマンションの土地価格を知ることは、マンションの価値を知ることに役立ちます。そして、マンションの価値を知ることは、自分と家族の将来設計をする上でも役立ちます。
公示価格や路線価を利用して土地の価値を調べたり、マンション自体の価値をチェックしたりして、自分が保有するマンションの価値がどのくらいなのか定期的に確認しましょう。
注目のエリア
騰落率は、マンション価格が新築時と現在とで、どれだけ変化があったかを示したものです。新築時と現在の価格が変わらない場合は騰落率０％となります。
※実際の流通価格を保証するものではありません。予めご了承ください。
※実際の流通価格を保証するものではありません。予めご了承ください。
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