中古マンションの購入に際して、新築マンションを購入するときと同じように住宅ローンが組めるかどうか、心配に感じる方もいるようです。
実際のところ、中古マンションでも住宅ローンを組むことはできます。では、購入するマンションが新築か中古かによって、住宅ローンの審査結果が変わることはあるのでしょうか?
中古マンションのリフォームをする場合の住宅ローンの組み方や、住宅ローン控除が使えるかどうかなど、中古マンション購入時に知っておきたいお金のことについて、まとめてご紹介します。
中古マンションでも住宅ローンが組める!購入時の注意点を解説します
- マンションバリューマガジン編集部
- 株式会社マーキュリー
中古マンション購入で組めるローンについて
マンションの物件価格は、通常、広さや立地といった条件が同じであれば、新築よりも中古のほうが手頃になります。とはいえ、不動産は元々の価格が高額であるため、中古マンションであっても一括購入ができる方は限られるでしょう。
そこで、多くの方は住宅ローンを組んで中古マンションの購入をすることになります。
まずは、中古マンションで利用できるローンの種類や、審査の基準について見ていきましょう。
中古マンション購入で利用できるローンの種類
住宅ローンの種類には、おもに次の2種類があります。
・都市銀行や地方銀行、信用金庫などの各金融機関が提供している住宅ローン
・日本住宅金融支援機構が提供している住宅ローン
中古マンションを購入する場合でも、新築マンションの場合と同じように、これらの住宅ローンを利用することができます。
ただし、投資目的で中古マンションを購入する場合は、新築か中古かにかかわらず、投資マンション用のローンを組むことになります。
住宅ローンの審査基準はどうなる?
住宅ローンの審査は、購入者の年収や勤続年数、住宅ローン以外の借入れ状況、信用情報、不動産の担保力などをもとに行われます。
審査基準は新築や中古に関係なく、同じ内容です。ただし、具体的な審査基準は金融機関によって異なります。
日本住宅金融支援機構が提供しているフラット35などの住宅ローンでは、「年収に占める合計返済額の割合」といった借入れの基準が公開されています。しかし、一般的な金融機関では、審査基準を明示していない場合がほとんどですから、まずは仮審査などを受けて借入れの可否を確認してみましょう。
住宅ローンで中古マンションを購入したい場合の注意点
中古マンションの購入でも、基本的には新築マンションの購入と同様の条件で住宅ローンを組むことができます。しかし、いくつか注意しておきたいポイントもあります。 住宅ローンを組んで中古マンションを購入したい場合に覚えておきたい注意点は次の3つです。
1 マンションの担保評価で借りられる金額が決まる
住宅ローンがいくらまで組めるのかを決める判断基準のひとつに、マンションの「担保評価」があります。
担保評価とは、マンションなどの不動産を担保にした場合、どれくらいの価値があるのか評価したものです。金融機関等は住宅ローンの融資を決める際、返済が滞ったときのため、不動産に抵当権をつけます。抵当権をつけることによって、いざというとき金融機関等がマンションを売却して、ローンの残額を回収できるようにします。このとき、いくらくらいで売却できるかを算出するための基準として利用するのが担保評価です。担保評価によって算出された金額は、「担保評価額」といいます。
担保評価が高いマンションであれば、それだけ高額の住宅ローンを組める可能性が高まります。反対に、担保評価が低いマンションの場合は、借りられる金額も低めになります。ただし、融資は購入希望者の信用部分も加味します。社会的信用度が高ければ、担保評価を補う融資を受けられる可能性が上がります。
また、担保評価は立地などの条件によっても変わるため、必ず新築マンションのほうが高評価になるとは限りません。しかし、一般的には、中古マンションよりも新築マンションのほうが、担保評価が高くなります。築年数が古い中古マンションは、その分担保評価も下がってしまう傾向があると覚えておきましょう。
2 マンションの耐久性(耐震基準)もチェックされる
マンションの耐久性が低い場合、購入時の担保評価がある程度あっても、その後、天災などの影響で不具合が起こり、住宅ローンの返済中に担保としての価値を失ってしまうということになりかねません。
住宅ローンの借入れの際は、マンションにどの程度の耐久性があるのかについてもチェックされる場合が多いようです。例えば、フラット35の場合、「中古住宅の借入れは、原則として建築確認日が1981年6月1日以降でなければならない」としています。これは、1981年6月1日以降に耐震基準が新しく改定されたためです。ただし、建築確認日がそれ以前であっても、耐震評価基準などに適合している場合は、住宅ローンを組むことができます。
マンションの耐久・耐震性は、安心して長いあいだ暮らし続けるためにも大切なポイントです。
住宅ローンでマンションを購入したい場合、住宅ローンを組めるかどうかも大切ですが、住み心地や見た目、立地だけでなく、マンションの構造についても意識して探すようにしましょう。
3 頭金や諸経費の金額も必要になる
住宅ローンを組んで中古マンションを購入する場合でも、ある程度の現金は必要です。 住宅ローンの審査が完了したタイミングで、印紙代や契約にかかる諸経費などを支払います。諸経費の金額は住宅ローンを借り入れる金額などによって変わりますが、数十万円~数百万円かかることもあるため、あらかじめいくらかかるのかを確認して、準備しておくようにしてください。
また、そもそも、いくらまで住宅ローンを組めるのかという問題もあります。中古マンションの場合、担保評価の問題で、新築マンションよりも借入可能額が低くなってしまう可能性があります。
新築マンションよりもリーズナブルな場合が多い中古マンションですが、購入時の現金については、やはりある程度用意しておいたほうが安心です。
諸経費について、詳しくはこちらをご覧ください。
【マンション購入費用一覧】意外と知らない諸費用と支払うタイミング
中古物件を購入してリフォームをするときのローンは?
中古物件を購入してリフォームするときは、どのようなローンの組み方をすればいいのでしょうか。
中古物件の購入に対してだけローンを使用して、リフォームは現金で行うという場合、ローンの審査や手続きは、リフォームをしない場合と変わりません。
一方、リフォーム代金についてもローンを利用したい場合は、住宅ローンとは別に「リフォームローン」を組むか、住宅ローンと合わせた「リフォーム一体型ローン」を組むことになります。
リフォームローン
リフォームローンとは、各金融機関や日本住宅金融支援機構が提供している、住宅のリフォームにかかる費用のためのローンです。
住宅ローンとは別にリフォームローンを組むことで、リフォームにかかる費用についてもローンでまかなうことができます。
リフォームローンは、担保がなくても申し込める場合もあります。借入上限や借入期間などは金融機関によって異なりますが、日本住宅金融支援機構の場合、最大1,500万円、最長20年(満60歳未満の人の場合)の借入れが可能です。
リフォーム一体型ローン
リフォーム一体型ローンとは、住宅ローンとリフォームローンが1つになったタイプのローンです。
マンション購入とリフォームを同時に行う場合、それぞれ別にローンを組むよりも、まとめてひとつのローンを組むほうが手続きや審査の手間を省くことができます。また、金利も低く済む場合もあるので、検討してみてください。
例えば、日本住宅金融支援機構では、「【フラット35】リノベ」という、中古住宅の購入とリノベーションをセットにしたローンプランがあります。これを利用した場合、金利がフラット35のみを利用した場合から0.5%引き下げられます。リフォーム内容がバリアフリーや耐震性に関するものなどに限られるという注意点がありますが、利用できる場合は大きなメリットになるでしょう。
中古マンション購入でも税額控除や給付制度が使える
住宅を購入する際は、住宅ローン控除やすまい給付金といった制度を利用できます。中古マンションを購入した場合でも、要件を満たせば使うことができますので、積極的に活用しましょう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して自分が住むための住宅を購入した方が利用できる税額控除制度です。
2020年における制度の大まかな内容は、住宅購入後、10年間(または13年間)にわたって、12月31日時点の住宅ローン残高の1%(最大40万円)が、所得税や住民税から控除されるというものです(条件等により、控除期間や控除額は変動します)。
住宅ローン控除について、詳しくはこちらをご覧ください。
中古マンションの購入時にも利用できる!住宅ローン控除のやり方
すまい給付金
すまい給付金は、収入が一定以下の方が、自分が住むための住宅を購入した場合に受け取れる給付金です。
中古マンションの場合でも、売主が不動産会社であれば対象になります(個人から購入する場合は対象外です)。
受け取れる金額は、収入額と購入する物件の持ち分によって変わります。
参考例: 年収500万円、16歳の子供と配偶者を扶養している会社員(40歳)が、住宅ローンを組んで中古マンションを購入した場合に受け取れる給付金は50万円(持ち分100%の場合)
上記はあくまでも参考例ですが、対象になる場合、購入した物件の額にかかわらず、まとまった金額を受け取ることができる制度ですから、ぜひ活用しましょう。
中古マンションでは物件の価値で住宅ローンの内容が変わる
中古マンションでも、新築マンションと同じく住宅ローンを組むことができます。また、リフォームとセットになった住宅ローンなど、中古マンションの購入に適したローンもありますので、ぜひ検討してみましょう。
ただし、中古マンションの住宅ローンの借入限度額や審査結果は、マンション自体の担保評価や耐久性能など、物件の価値によって左右されることがあります。安心して住み続けるためにも、購入に踏み切る前に購入を希望する物件の価値をしっかり調べておくことをおすすめします。
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