マンションの固定資産税っていくら?新築と中古の違いと計算方法

マンションを購入すると、新築・中古を問わず建物と土地の所有者になり、それに応じた固定資産税を納める必要があります。固定資産税を支払わなければならないことはわかっていても、その内容について詳しく理解している人は少ないかもしれません。
ここでは、予備知識なしではわかりにくい固定資産税とその計算方法のほか、覚えておきたい固定資産税の軽減措置について解説していきます。

固定資産税とは?

固定資産税とは、土地や家屋といった固定資産にかかる税金です。1月1日の時点で固定資産を所有している人に納税義務があります。
マンションを購入すると、土地や建物(専有部分)に対して固定資産税がかかり、毎年市町村(東京都の特別区の場合は都)に納めなければなりません。
「部屋を買っただけで、土地は持ってないのではないか?」と思う人もいるかもしれませんが、マンションの場合、自分だけが使える専有部分としての「建物」だけでなく、「敷地」の一部を所有することになりますので、戸建と同様に土地に対する固定資産税の支払い義務が発生するのです。

地域によっては都市計画税もプラスで支払う

都市計画税とは、都市整備等の費用にあてることを目的として導入された地方税で、インフラ整備などの拡充を目指す都市計画区域内の、特に市街化区域と呼ばれるエリアにマンションを持っている人が対象です。その市区町村がどういった都市計画を持つかによって税負担が変わってくるという特徴があります。

日本の人口の、およそ94%が都市計画区域に住んでいるといわれています(国土交通省資料「都市計画に関する諸制度の今後の展開について(案)」2012年9月)。 マンション建設があるようなエリアは都市計画区域であることが多く、固定資産税と都市計画税はセットとして扱われていることが多いようです。

固定資産税・都市計画税の計算方法

固定資産税や都市計画税の金額は、どのような仕組みで算出されるのでしょうか。

固定資産税の計算方法

固定資産税は、固定資産税評価額をもとに、標準税率を掛けて算出されます。固定資産税評価額とは、固定資産税を計算する基準であり、市町村が算定する土地や家屋を評価した価格のことです。
固定資産税の計算式は、下記のようになります。

固定資産税=固定資産税評価額×1.4%

土地に関する固定資産税評価額は、国税庁が毎年4月に発表する「路線価(地域の道路に面する宅地の1平方メートルあたりの評価額)」を基に決定されます。例えば、路線価が1平方メートルあたり10万円で、敷地面積が100平方メートルの土地を購入したとすると、その土地の固定資産税評価額は1,000万円になるというわけです。

建物に対する固定資産税評価額は、評価する建物と同じ物を今再び建てるとしたらいくらかかるかという、「再建築価格」から決定されます。再建築価格は、1,000平方メートル以下で標準的な構造とされる建物の場合、「比準評価」という方法で計算されますが、専門の職員が実際に建物の建築資材や内装、設備を調査することで価格を割り出すこともあります。
そうして出てきた数字に対し、築年数や物価の変動に応じた減価償却を行い、最終的な固定資産税評価額が決定されるのです。

少々複雑ですが、固定資産税評価額は良い素材を使っている新しい建物ほど高額で、木材などの比較的安価な材料を使った古い建物ほど安くなると認識しておけばいいでしょう。ちなみに、築年数による減額は、「経年減点補正率」という計算式によって、全国一律で決まっています。 例えば、一番価値の高いSRC造マンションの場合、減価率は築10年で63.86%、築20年で55.09%、築30年で46.32%となっています。

固定資産税評価額は、土地も建物も3年ごとに更新されます。よほど大規模な都市開発などが行われない限り、その土地や建物の価値が大きく上がることはありませんから、基本的には時間が経てば経つほど減価償却が行われ、固定資産税も安くなっていくと考えていいでしょう。ただし、減価率は2割が下限となっていますので、下限に達した場合は、建物がどんなに老朽化しても評価額は減りません。

評価額について、詳しくはこちらもご覧ください。
一物五価!?不動産の評価額はどのように決まる?

都市計画税の計算方法

都市計画税は、下記の計算式で算出されます。

都市計画税=固定資産税評価額×最大0.3%

都市計画税は、その市区町村がどういった都市計画を持つかによって税負担が変わってきますが、最大で0.3%とされています。
固定資産税は1.4%ですから、都市計画税と固定資産税を合わせた最大税率は1.7%になります。

固定資産税・都市計画税の例

それでは、固定資産税と都市計画税を、具体的な数字を入れて見てみましょう。 例えば、ある年のマンションの固定資産税評価額が、土地が1,000万円、建物が2,000万円だったとすると、固定資産税と都市計画税は、以下のようになります。

<固定資産税>

土地に対して1,000万円×1.4%=14万円
建物に対して2,000万円×1.4%=28万円

<都市計画税>

土地に対して1,000万円×0.3%=3万円(最大)
建物に対して2,000万円×0.3%=6万円(最大)

合計して、最大51万円がその年の固定資産税・都市計画税として必要な金額となります。

なお、中古マンションであれば、不動産業者や売り主に聞くことで、前年の固定資産税と都市計画税の額がわかります。
新築マンションの場合でも、販売業者に尋ねれば、概算の固定資産税の額を教えてもらえるでしょう。

タワーマンションは固定資産税の計算方法が違う?

マンションのうち、高さが60mを超える建物(およそ20階建て以上)は「居住用超高層建築物」と定められています。いわゆるタワーマンションがこれにあたります。タワーマンションの固定資産税については、2017年度の税制改正で見直しが行われました。

マンションの固定資産税は、所有している住戸の床面積に応じて固定資産税や都市計画税が課されています。しかし、タワーマンションの場合、床面積が同じであっても、低層階に比べて高層階の分譲価格が高くなります。市場価格が階数によって異なるのに、固定資産税は一定だと税負担が公平とはいえませんから、固定資産税が調整されることになったのです。
具体的に、タワーマンションの固定資産税は、階によって市場価格が異なることを固定資産税額に反映するため、「階層別専有床面積補正率」を用いて計算することになりました。
階層別専有床面積補正率はタワーマンションの1階を100として、1階上がるごとに10/39を加算した数値となります。計算式は以下となります。

階層別専有床面積補正率=100+10/39×(所有する専有部分がある階-1)

階層別専有床面積補正率は、1階が100に対して、40階は110となります。
これを踏まえ、タワーマンションの建物の固定資産税は、以下の計算式で導きます。

各住戸の固定資産税=1棟の評価額×各住戸の専有床面積×階層別専有床面積補正率÷階層別専有床面積補正率を掛けた後のマンションの専有床面積の合計

さらに、タワーマンションの高層階は設備が充実している傾向がありますが、ほかの階と比べて著しい差がある場合、その差に応じて固定資産税の補正が行われることになりました。

固定資産税の見直しの対象となったタワーマンションは、2018年1月2日以降に新築されたタワーマンションで、2017年3月31日までに売買契約が締結された物件です。それ以前に引き渡された物件については、今のところ階数によって固定資産税額が変わることはありません。

固定資産税・都市計画税の軽減措置

マンションは非常に高い買い物ですから、住宅ローンを支払いながら固定資産税と都市計画税を納めていくのは、たいへんだと感じた人も多いと思います。
しかし、ご安心ください。住宅用地と新築住宅の建物に対しては、固定資産税を軽減する減税措置の特例が認められています。その要件は以下のとおりです。

<住宅用の土地の固定資産税>

・200平方メートル以下の部分は、評価額の1/6に課税
・200平方メートルを超える部分は、評価額の1/3に課税
※建物の課税床面積の10倍を上限とする。

<住居用として使う建物の固定資産税>

・床面積が50~280平方メートルの新築マンション等に限り、新築後5年間にわたって120平方メートル以下の部分の評価額の1/2に課税
※2022年3月31日までに新築した場合。
※3階建以上の対火・準耐火建築物に限る。
※長期優良住宅に認定されたマンションの場合、住居用として使う建物の固定資産税軽減措置が2年間延長される。

また、都市計画税に関しても特例が認められており、土地のみに対する税額限定ではありますが、以下のように減税措置が認められています。

<住宅用の土地の都市計画税>

・200平方メートル以下の部分は、評価額の1/3に課税
・200平方メートルを超える部分は、評価額の2/3に課税

中古マンションでも、バリアフリーや省エネ、耐久性向上といったリフォーム・リノベーションを行うことで軽減措置を受けられる場合があります。
また、自治体によって独自の軽減措置を用意している場合もあるため、お住まいの自治体に問い合わせるか、自治体のウェブサイトでチェックしてみるといいでしょう。

固定資産税・都市計画税の支払い方法

続いては、固定資産税と都市計画税を支払う方法について解説していきましょう。

支払いは4回に分けて

固定資産税と都市計画税は、ほとんどの自治体で4期に分割して納付することになっており、電気・ガス・水道といった公共料金と同じように納付通知書が届きます。金融機関の窓口やコンビニエンスストアで納付できるほか、クレジットカードや口座振替で支払うことができます。4期分をまとめて一括で支払うこともできますが、一括して納めても納税額に変動はありません。

東京都のある年を例にすると、納税通知書は6月1日に届き、第1期の納期限が6月30日、そして第2期が10月2日、第3期が12月27日と続き、最後の第4期が2月28日でした。ちなみに、納税通知書は、納期限の10日前までには送らなければならないことになっていますので、6月下旬になっても連絡が来ないときは、自治体に問い合わせてみましょう。

なお、固定資産税は、1月1日時点での土地や物件の所有者にかかる税金となっています。例えば、新築マンションを1月2日以降に購入した場合、その年の固定資産税・都市計画税は徴収されず、翌年に初めて納めることになります。

中古物件の固定資産税は誰が払う?

先程ご説明したとおり、固定資産税・都市計画税は1月1日時点の所有者が対象となるため、1月2日以降に新築マンションを購入した場合には課税されません。しかし、中古物件が1月2日に売買された場合、前の持ち主・新しい持ち主、どちらがその年の固定資産税・都市計画税を支払うのでしょうか?

このような場合、表向きは1月1日時点の所有者である売り手が支払います。しかし、買い手が固定資産税・都市計画税に相当する金額を売り手に支払うことで、実際にその年に物件を所有する買い手が負担をするのが通例となっています。

固定資産税・都市計画税を忘れず、計画的なマンション購入を

固定資産税・都市計画税をはじめ、マンションを購入した際にはさまざまな税金を納めなくてはなりません。事前にある程度の知識を身に付けて、マンションの購入計画を立てるのがおすすめです。
軽減措置もうまく活用しながら、理想の物件を見つけてください。

マンションを購入した際にかかる税金について、詳しくはこちらもご覧ください。
マンションを買ったら税金がかかる?購入時にかかる税金と優遇制度